問4
A 「使用者が誠実交渉義務に違反する不当労働行為をした場合には、当該団体交渉に係る事項に関して合意の成立する見込みがないときであっても、労働委員会は、誠実交渉命令〔使用者が誠実交渉義務に違反している 場合に、これに対して誠実に団体交渉に応ずべき旨を命ずることを内容とする救済命令〕を発することができると解するのが相当である。」とするの が、最高裁判所の判例である。
B職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、特定募集情報等提供事業者、労働者供給事業者及び労働者供給を受けようとする者は、特別な職業上の必要性が存在することその他業務の目的の達成に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合でなければ、
「人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項」「思想及び信条」「労働組合への加入状況」に関す る求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者の 個人情報を収集することができない。
C 事業主は、労働者が当該事業主に対し、当該労働者又はその配偶者が妊娠し、又は出産したことその他これに準ずるものとして厚生労働省令で定 める事実を申し出たときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該労 働者に対して、育児休業に関する制度その他の厚生労働省令で定める事項 を知らせるとともに、育児休業申出等に係る当該労働者の意向を確認するための面談その他の厚生労働省令で定める措置を講じなければならない。
D 高年齢者雇用安定法に定める義務として継続雇用制度を導入する場合、事業主に定年退職者の希望に合致した労働条件での雇用を義務付けるものではなく、事業主の合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば、労働者 と事業主との間で労働条件等についての合意が得られず、結果的に労働者 が継続雇用されることを拒否したとしても、高年齢者雇用安定法違反となるものではない。
E 厚生労働大臣は、常時雇用する労働者の数が 300 人以上の事業主からの申請に基づき、当該事業主について、青少年の募集及び採用の方法の改善、職業能力の開発及び向上並びに職場への定着の促進に関する取組に関 し、その実施状況が優良なものであることその他の厚生労働省令で定める 基準に適合するものである旨の認定を行うことができ、この制度は「ユースエール認定制度」と呼ばれている。
問4 解答
正解:E(難易度:B)
A:× 誤り。最高裁判所の判例では、「使用者が誠実交渉義務に違反する不当労働行為をした場合、合意の成立する見込みがないときであっても、労働委員会は誠実交渉命令を発することができる」と解されています。この選択肢が誤っている部分は明確ではないため、他の選択肢と比較して最も誤りが明白なものを探す必要があります。
B:× 誤り。職業安定法では、職業紹介事業者や求人者が収集できる個人情報に制限を設けています。この選択肢に記載された情報の収集は、特定の条件下でのみ許可されるため、間違っているわけではありません。この選択肢は基本的に正しい規定を反映しています。
C:× 誤り。育児休業、介護休業等に関する法律では、労働者が育児や介護の必要性を申し出た際に、事業主が講じるべき措置が定められています。この選択肢は、その法律の主旨を正確に反映しているため、誤りとは言えません。
D:× 誤り。高年齢者雇用安定法は、事業主が継続雇用制度を導入する際、労働条件について合理的な裁量を持つことを認めています。この選択肢は、法律の適切な解釈を示しており、明らかな誤りとは言えません。
E:○ 正しい。ユースエール認定制度は、厚生労働大臣が若年層の雇用促進に貢献している事業主を認定する制度ですが、常時雇用する労働者の数については「300人以上」という具体的な数は法律や省令に定められていません。この部分が誤りであり、この選択肢が最も間違っているものとして選ばれるべきです。
解説に根拠となる法律条文、判例、資料名を付記する際には、「労働組合法」、「職業安定法」、「育児休業、介護休業等に関する法律」、「高年齢者雇用安定法」などの関連法律を参照します。また、過去問の類似例を示す際には、具体的な年度の過去問題を参照することが適切です。これらの情報は、問題の解説をより具体的かつ信頼性のあるものにするために重要です。
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