問10
ア 障害厚生年金の給付事由となった障害について、国民年金法による障害基礎年金を受けることができない場合において、障害厚生年金の額が障害等級 2 級の障害基礎年金の額に 2 分の 1 を乗じて端数処理をして得た額に満たないときは、当該額が最低保障額として保障される。なお、配偶者についての加給年金額は加算されない。
イ甲は、障害等級 3 級の障害厚生年金の支給を受けていたが、63 歳のときに障害等級 3 級に該当する程度の障害の状態でなくなったために当該障害厚生年金の支給が停止された。その後、甲が障害等級に該当する程度の障害の状態に該当することなく 65 歳に達したとしても、障害厚生年金の受給権は 65 歳に達した時点では消滅しない。
ウ 遺族厚生年金を受けることができる遺族のうち、夫については、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた者で、55歳以上であることが要件とされており、かつ、60歳に達するまでの期間はその支給が停止されるため、国民年金法による遺族基礎年金 の受給権を有するときも、55 歳から遺族厚生年金を受給することはない。
エ 遺族厚生年金は、障害等級 1 級又は 2 級に該当する程度の障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が死亡したときにも、一定の要件を満たすその者の遺族に支給されるが、その支給要件において、その死亡した者につ
いて保険料納付要件を満たすかどうかは問わない。
オ 遺族厚生年金と当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく遺族基礎年金の受給権も有している妻が、30歳に到達する日前に当該遺族基礎年金の受給権が失権事由により消滅した場合、遺族厚生年金の受給権は当該遺族基礎年金の受給権が消滅した日から 5 年を経過したときに消滅する。
A (アとイ) B (アとウ) C (イとエ) D (ウとオ) E (エとオ)
問10 解答
正解 B (難易度:C)
ア:○ 正しい。障害厚生年金の給付事由となった障害について国民年金法による障害基礎年金を受けることができない場合、障害厚生年金の額が障害等級2級の障害基礎年金額の2分の1に満たないときは、その額が最低保障額として保障されます。配偶者についての加給年金額は加算されません。
イ:○ 正しい。甲が障害等級3級の障害厚生年金の支給を受けていたが、障害状態が改善されて支給が停止された後、65歳に達しても障害厚生年金の受給権は消滅しません。この場合、障害状態が再び悪化し障害等級に該当するようになれば、再度障害厚生年金の受給が可能です。
ウ:× 誤り。遺族厚生年金を受けることができる遺族のうち、夫が55歳以上であることが要件の一つですが、60歳に達するまでの期間が支給が停止されるという規定はありません。また、遺族基礎年金の受給権を有している場合でも、条件を満たしていれば55歳から遺族厚生年金を受けることは可能です。
エ:○ 正しい。遺族厚生年金は障害等級1級または2級に該当する程度の障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が死亡したときにも、一定の要件を満たすその者の遺族に支給されます。その支給要件において、死亡した者についての保険料納付要件は問われません。
オ:○ 正しい。遺族厚生年金と遺族基礎年金の受給権を有する妻が、30歳に到達する前に遺族基礎年金の受給権が消滅した場合、遺族厚生年金の受給権はその日から5年を経過したときに消滅します。これは、遺族厚生年金の受給権を一定期間保護するための規定です。
解説参照資料:厚生年金保険法、関連する厚生労働省令、判例、厚生年金制度解説資料。
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