令和5年度厚生年金保険法問5 遺族厚生年金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

令和5年度本試験

問5 

A夫の死亡による遺族厚生年金を受給している者が、死亡した夫の血族との姻族関係を終了させる届出を提出した場合でも、遺族厚生年金の受給権 は失権しない。

B 夫の死亡による遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給していた甲が、新たに障害厚生年金の受給権を取得した。甲が障害厚生年金の受給を選択すれ ば、夫の死亡当時、夫によって生計を維持されていた甲の子(現在 10 歳) に遺族厚生年金が支給されるようになる。

C 船舶が行方不明となった際、現にその船舶に乗っていた被保険者若しくは被保険者であった者の生死が 3 か月間分からない場合は、遺族厚生年金の支給に関する規定の適用については、当該船舶が行方不明になった日 に、その者は死亡したものと推定される。

D 配偶者と離別した父子家庭の父が死亡し、当該死亡の当時、生計を維持していた子が遺族厚生年金の受給権を取得した場合、当該子が死亡した父の元配偶者である母と同居することになったとしても、当該子に対する遺族厚生年金は支給停止とはならない。

E被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時、その者と生計を同じくしていた配偶者で、前年収入が年額 800 万円であった者は、定期昇給によって、近い将来に収入が年額 850 万円を超えることが見込まれる場合であっても、その被保険者又は被保険者であった者によって生計を維持して いたと認められる。

問5 解答

正解 B (難易度:B)

A.○ 正しい。遺族厚生年金を受給している者が、死亡した配偶者の血族との姻族関係を終了させる届出を提出した場合でも、遺族厚生年金の受給権は失権しません。遺族厚生年金の受給権は姻族関係の存続に依存しないため、この記述は正しいです。

B.× 間違い。甲が新たに障害厚生年金の受給権を取得し、それを選択した場合、夫の死亡当時、夫によって生計を維持されていた子に遺族厚生年金が支給されることはありません。このような場合、甲の子は遺族基礎年金の対象となりますが、遺族厚生年金は甲が受給することになります。

C.○ 正しい。船舶が行方不明となり、乗船していた被保険者の生死が3か月間分からない場合、その者は死亡したものと推定されます。これにより、遺族厚生年金の支給が開始されることがあります。この規定は厚生年金保険法に基づいています。

D.○ 正しい。配偶者と離別した父子家庭の父が死亡し、子が遺族厚生年金の受給権を取得した場合、その子が元配偶者である母と同居するようになっても、遺族厚生年金の支給は停止されません。遺族厚生年金の受給は子の状況に基づくため、元配偶者との同居は影響を及ぼしません。

E.○ 正しい。被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時、その者と生計を同じくしていた配偶者の前年収入が年額800万円であり、将来に収入が年額850万円を超えることが見込まれる場合でも、その配偶者が被保険者によって生計を維持されていたと認められれば、遺族厚生年金の受給資格を満たすことができます。

以上の解説に基づき、誤っている選択肢はBですので、正解はBとなります。

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