令和5年度厚生年金保険法問1 厚生年金保険法第 26 条に規定する 3 歳に満たない子を養育する被保険者等の標準報酬月額の特例(以下本問において「本特例」という。)に関する次の 記述のうち、正しいものはどれか。

令和5年度本試験

問1 

A 本特例についての実施機関に対する申出は、第 1 号厚生年金被保険者又は第 4 号厚生年金被保険者はその使用される事業所の事業主を経由して行い、第 2 号厚生年金被保険者又は第 3 号厚生年金被保険者は事業主を経由せずに行う。

B 本特例が適用される場合には、老齢厚生年金の額の計算のみならず、保険料額の計算に当たっても、実際の標準報酬月額ではなく、従前標準報酬月額が用いられる。

C 甲は、第 1 号厚生年金被保険者であったが、令和4年5月1 日に被保険者資格を喪失した。その後、令和5年6月 15 日に3 歳に満たない子の養育を開始した。更に、令和 5年7月1 日に再び第 1 号厚生年金被保険者の被保険者資格を取得した。この場合、本特例は適用される。

D 第 1 子の育児休業終了による職場復帰後に本特例が適用された被保険者乙の従前標準報酬月額は 30 万円であったが、育児休業等終了時改定に該当し標準報酬月額は 24 万円に改定された。その後、乙は第 2 子の出産のため厚生年金保険法第 81 条の 2の2第1 項の適用を受ける産前産後休業を取得し、第 2 子を出産し産後休業終了後に職場復帰したため第 2 子の養育に係る本特例の申出を行った。第 2 子の養育に係る本特例が適用された場合、被保険者乙の従前標準報酬月額は 24 万円である。

E本特例の適用を受けている被保険者の養育する第 1 子が満 3 歳に達する前に第 2 子の養育が始まり、この第 2 子の養育にも本特例の適用を受ける場合は、第 1 子の養育に係る本特例の適用期間は、第 2 子が 3 歳に達した日の翌日の属する月の前月までとなる。

問1 解答

正解 A (難易度:C)

A.○ 厚生年金保険法第26条に規定する3歳未満の子を養育する被保険者等の標準報酬月額の特例についての申出は、第1号及び第4号厚生年金被保険者はその使用される事業所の事業主を経由して行い、第2号及び第3号厚生年金被保険者は事業主を経由せずに行います。これにより、事業所と関連のない被保険者(第2号及び第3号)が直接申出を行うことができます。

B.× 本特例が適用される場合には、標準報酬月額が従前標準報酬月額に基づいて計算されますが、これは保険料額の計算にのみ適用されます。老齢厚生年金の額の計算には、実際に支払われた報酬に基づく標準報酬月額が用いられます。

C.× 被保険者が資格を喪失してから子の養育を開始し、その後再び被保険者資格を取得した場合、本特例の適用を受けるためには養育を開始した日が被保険者であった期間内である必要があります。甲のケースでは、養育開始日が被保険者資格喪失後であるため、本特例の適用はされません。

D.× 第1子の育児休業終了後に改定された標準報酬月額が本特例の適用を受ける基準となります。したがって、第2子の養育に係る本特例が適用された場合、被保険者乙の従前標準報酬月額は育児休業等終了時に改定された24万円であることが正しいです。

E.× 本特例の適用を受けている被保険者が第2子の養育を始める場合、第1子の養育に係る本特例の適用期間は第2子の養育開始日の属する月の前月までとなります。したがって、第1子が満3歳に達する前であっても、第2子の養育開始により第1子の養育に係る本特例の適用期間は終了します。

解説には、各選択肢に関連する厚生年金保険法の条文、判例、資料名を具体的に示す必要があります。また、不正解の選択肢についても、どこがどのように間違っているかを詳しく説明することが求められます。

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