令和5年度厚生年金保険法問4 厚生年金保険法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

令和5年度本試験

問4

ア被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。

イ 厚生年金保険の適用事業所で使用される 70 歳以上の者であっても、厚生年金保険法第 12 条各号に規定する適用除外に該当する者は、在職老齢年金の仕組みによる老齢厚生年金の支給停止の対象とはならない。

ウ被保険者が同時に 2 以上の事業所に使用される場合における各事業主の負担すべき標準賞与額に係る保険料の額は、各事業所についてその月に各事業主が支払った賞与額をその月に当該被保険者が受けた賞与額で除して 得た数を当該被保険者の保険料の額に乗じて得た額とされている。

エ中高齢寡婦加算が加算された遺族厚生年金の受給権者である妻が、被保険者又は被保険者であった者の死亡について遺族基礎年金の支給を受けることができるときは、その間、中高齢寡婦加算は支給が停止される。

オ経過的寡婦加算が加算された遺族厚生年金の受給権者である妻が、障害基礎年金の受給権を有し、当該障害基礎年金の支給がされているときは、その間、経過的寡婦加算は支給が停止される。

A 一つ
B 二つ
C 三つ
D 四つ
E 五つ

問4 解答

正解 D (難易度:C)

ア:○ 正しい。被保険者期間を計算する場合、月単位で行い、被保険者の資格を取得した月から資格を喪失した月の前月までを算入します。これは、厚生年金保険の保険料納付期間を計算する際の一般的なルールです。

イ:○ 正しい。70歳以上の厚生年金保険の適用除外者は、在職老齢年金の仕組みによる老齢厚生年金の支給停止の対象とはなりません。これは、適用除外者が厚生年金保険の対象外であるため、在職中の年金受給に関する規制が適用されないためです。

ウ:○ 正しい。複数の事業所に同時に使用される被保険者に関しては、各事業主が支払う標準賞与額に係る保険料の額は、被保険者が受けた賞与額に対する各事業所の割合に応じて計算されます。これにより、各事業所の負担する保険料額が適正に決定されます。

エ:○ 正しい。中高齢寡婦加算が加算された遺族厚生年金の受給権者が遺族基礎年金の支給を受けることができる場合、中高齢寡婦加算は支給が停止されます。これは、同一の事由による二重の給付を防ぐための措置です。

オ:× 誤り。経過的寡婦加算が加算された遺族厚生年金の受給権者が障害基礎年金の受給権を有していても、障害基礎年金の支給がされている間、経過的寡婦加算が自動的に支給停止されるわけではありません。障害基礎年金と遺族厚生年金(及び経過的寡婦加算)は別の給付であり、一方が他方に影響を与えるものではないためです。

解説参照資料:厚生年金保険法、関連する厚生労働省令、判例、厚生年金制度解説資料。

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