令和5年度健康保険法問5 健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

令和5年度本試験

問5 

A 健康保険の被保険者が、労働協約又は就業規則により雇用関係は存続するが会社より賃金の支給を停止された場合、例えば病気休職であって実務に服する見込みがあるときは、賃金の支払停止は一時的なものであり使用 関係は存続するものとみられるため、被保険者資格は喪失しない。

B訪問看護療養費は、厚生労働省令で定めるところにより、保険者が必要と認める場合に限り、支給するものとされている。指定訪問看護を受けられる者の基準は、疾病又は負傷により、居宅において継続して療養を受け る状態にある者であって、主治医が訪問看護の必要性について、被保険者の病状が安定し、又はこれに準ずる状態にあり、かつ、居宅において看護師等が行う療養上の世話及び必要な診療の補助を要する状態に適合すると 認めた者である。なお、看護師等とは、看護師、保健師、助産師、准看護師、理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士をいう。

C高額療養費の支給は、償還払いを原則としており、被保険者からの請求に基づき支給する。この場合において、保険者は、診療報酬請求明細書(家族療養費が療養費払いである場合は当該家族療養費の支給申請書に添付される証拠書類)に基づいて高額療養費を支給するものであり、法令上、請求書に証拠書類を添付することが義務づけられている。

D 任意継続被保険者が任意の資格喪失の申出をしたが、申出のあった日が保険料納付期日の 10 日より前であり、当該月の保険料をまだ納付していなかった場合、健康保険法第 38 条第 3 号の規定に基づき、当該月の保険料の納付期日の翌日から資格を喪失する。

E 健康保険法第 172 条によると、保険料は、納付義務者が破産手続開始の決定を受けたときは、納期前であっても、すべて徴収することができる。

問5 解答

正解 C (難易度:B)

A.○ 健康保険の被保険者が労働協約や就業規則により賃金の支給を停止された場合でも、雇用関係が存続し、実務に復帰する見込みがあるときは、使用関係は存続するとみなされ、被保険者資格は喪失しません。これは、一時的な賃金支払いの停止が被保険者資格喪失の直接的な理由とはならないことを示しています。

B.○ 訪問看護療養費の支給は、厚生労働省令で定められた基準に従って行われ、保険者が必要と認める場合に限ります。指定された訪問看護を受けられる者の基準や看護師等の定義は、記述の通りです。これは、訪問看護の適切な実施を保障し、必要な療養を受ける状態にある者に対して支給されることを意味します。

C.× 高額療養費の支給は償還払いを原則としていますが、法令上、請求書に証拠書類を添付することが義務付けられているわけではありません。保険者は、診療報酬請求明細書や家族療養費の支給申請書に添付される証拠書類に基づいて高額療養費を支給するものですが、これらの書類の提出を請求者が義務付けられているわけではなく、必要に応じて保険者が確認を求めることがあります。

D.○ 任意継続被保険者が資格喪失の申出をした場合、申出の日が保険料納付期日の10日より前であれば、当該月の保険料の納付期日の翌日から資格を喪失すると規定されています。これは、保険料の納付義務と資格喪失のタイミングを明確にするためのものです。

E.○ 健康保険法第172条によると、保険料は納付義務者が破産手続開始の決定を受けた場合、納期前であってもすべて徴収することができます。これは、破産手続開始によって資産が凍結される前に、保険料を確実に徴収するための規定です。

解説には、各選択肢に関連する健康保険法の条文、判例、資料名を具体的に示す必要があります。また、不正解の選択肢についても、どこがどのように間違っているかを詳しく説明することが求められます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました