令和5年度 一般常識 問2 我が国の能力開発や人材育成に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

令和5年度本試験

問2


なお、本問は、「令和 3 年度能力開発基本調査(事業所調査)(厚生労働省)」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。

A 能力開発や人材育成に関して何らかの問題があるとする事業所のうち、問題点の内訳は、「指導する人材が不足している」の割合が最も高く、「人 材育成を行う時間がない」、「人材を育成しても辞めてしまう」と続いてい る。

B 正社員を雇用する事業所のうち、正社員の自己啓発に対する支援を行っている事業所の支援の内容としては、「教育訓練機関、通信教育等に関す る情報提供」の割合が最も高く、「受講料などの金銭的援助」、「自己啓発を通して取得した資格等に対する報酬」と続いている。

C キャリアコンサルティングを行う仕組みを導入している事業所のうち、正社員に対してキャリアコンサルティングを行う上で問題があるとする事業所における問題の内訳をみると、「キャリアに関する相談を行っても、その効果が見えにくい」の割合が最も高く、「労働者からのキャリアに関する相談件数が少ない」、「キャリアコンサルタント等相談を受けることのできる人材を内部で育成することが難しい」と続いている。

D 労働者の主体的なキャリア形成に向けて実施した取組は、「上司による定期的な面談( 1 on 1 ミーティング等)」の割合が最も高く、「職務の遂行に必要なスキル・知識等に関する情報提供」、「自己啓発に対する支援」と続いている。

E 職業能力評価を行っている事業所における職業能力評価の活用方法は、「人事考課(賞与、給与、昇格・降格、異動・配置転換等)の判断基準」の割 合が最も高く、「人材配置の適正化」、「労働者に必要な能力開発の目標」と続いている。

問2 解答

正解 B (難易度:B)

A:○ 正しい。多くの事業所で能力開発や人材育成に関して問題を感じており、「指導する人材が不足している」ことが最も大きな問題点とされています。これは、有効な指導者が不足している実情を反映しています。

B:× 誤り。一般的には、「受講料などの金銭的援助」や「自己啓発を通して取得した資格等に対する報酬」のような直接的な支援が最も一般的であり、「教育訓練機関、通信教育等に関する情報提供」はそれに続く形で行われることが多いです。しかし、この順序が最も高いと断言するには具体的な統計データや調査結果が必要です。

C:○ 正しい。キャリアコンサルティングを行う事業所において、「キャリアに関する相談を行っても、その効果が見えにくい」という問題が最も多く報告されています。これは、キャリアコンサルティングの効果が直接的・即時的には見えにくいという事業所の認識を反映しています。

D:○ 正しい。多くの事業所では、「上司による定期的な面談(1 on 1 ミーティング等)」を実施しており、これが労働者の主体的なキャリア形成を支援するための主要な手段となっています。これには「職務の遂行に必要なスキル・知識等に関する情報提供」や「自己啓発に対する支援」が続きます。

E:○ 正しい。「人事考課(賞与、給与、昇格・降格、異動・配置転換等)の判断基準」としての職業能力評価の活用が最も多く、これに「人材配置の適正化」、「労働者に必要な能力開発の目標」の設定が続くことは、能力評価の実際の活用状況をよく反映しています。

解説参照資料:「令和3年度能力開発基本調査(事業所調査)(厚生労働省)」、関連する労働政策・人材育成に関する文献。

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