問１４ 民法
１ Ａは、Ｂが履行の着手をする前に、Ｂに 600 万円を現実に提供すれば、Ｂがこれを受領しなくとも売買契約の解除をすることができる。
２ Ｂは、Ｂ自身が履行の着手をしても、Ａが履行の着手をしなければ、手付金300 万円を放棄して売買契約の解除をすることができる。
３ Ａは、Ｂの債務不履行により売買契約を解除したときは、Ｂに手付金 300 万円を返還することなく、Ｂの債務不履行により生じた損害全額の賠償を請求することができる。
４ Ａが履行の着手をする前に、Ｂが手付金 300 万円を放棄して売買契約の解除をしたときは、Ａは、売買契約の解除によって 300 万円を超える損害が生じても、Ｂに対して損害賠償の請求はできない。
問１４ 解答
正解 3 （難易度：B）
１．× 民法では、手付金を倍額返還することで契約を解除できると規定していますが、300万円の手付金に対してＡがＢに600万円を提供すれば解除できるという規定はありません。Ａは手付金の倍額である600万円をＢに返還することで契約を解除できます。
２．○ Ｂが手付金を放棄することで契約を解除することは可能です。Ｂが履行を着手していても、Ａが履行を着手しない場合、Ｂは手付金を放棄して契約を解除できます。
３．× Ａは、Ｂの債務不履行により契約を解除した場合、手付金を没収することはできますが、それに加えて全額の損害賠償を請求することはできません。手付金の没収は、損害賠償の一形態として機能し、通常、追加の損害賠償を超える請求は認められません。
４．○ Ｂが手付金を放棄して契約を解除した場合、Ａは300万円を超える損害が生じても、それをＢに請求することはできません。手付金の放棄は、契約解除の際の損害賠償の上限を設定するものとして機能します。
誤っている記述は「3」です。ＡはＢの債務不履行により契約を解除したとき、手付金を没収することはできますが、それに加えて全額の損害賠償を請求することは通常できません。
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