問17 乙マンションの303号室の所有者であるEは、病気療養のため長期間入院している間、友人のFに部屋の管理を任せていました。しかし、FはEの不在をいいことに、Eの部屋を第三者のGに無断で貸し出しました。貸し出し期間は2年間とされ、その間Gは家賃をFに支払い続けています。この事態を知ったEが帰宅後、FとGの間の賃貸借契約の無効を主張し、Gに対して部屋を明け渡すよう求めた場合に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

パート3

1 Eは、Fが無権限であったにも関わらずGが正当な理由をもってその権限を信じた場合でも、Gに対して賃貸借契約の無効を主張できる。

2 GがEの所有する303号室に関する賃貸借契約の存在を知らずに、適法な手続きにより入居した場合、EはGに対して賃貸借契約の無効を主張できない。

3 賃貸借契約が無効であるにも関わらず、EがGからの家賃支払いを受け入れていた場合、Eは黙認により契約を追認したと見なされ、後に契約の無効を主張することはできない。

4 EがFの行為を無効と主張する場合、部屋を明け渡すようGに求める前に、まずFに対する損害賠償請求を行う必要がある。

問17 解答

正解 3 (難易度 A)

1 × 解説:民法第109条の規定によると、EがFを代理人として委任していないため、FとGの間の賃貸借契約は無権代理となり、EはGに対して賃貸借契約の無効を主張できます。

2 × 解説:民法第177条の規定に基づき、Gが善意かつ過失なくEの部屋を賃貸借する契約を結んだとしても、EはFが無権限であることから契約の無効を主張できます。

3 ○ 正しい:民法第115条の規定により、EがGからの家賃支払いを受け入れる行為は、賃貸借契約の追認と見なされるため、Eは後に無効を主張することはできません。

4 × 解説:Eが部屋を明け渡すことをGに求めるのは、Fに対する損害賠償請求とは独立した権利行使であり、必ずしも先にFに対する損害賠償請求を行う必要はありません。

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