あるマンションの管理組合では、屋上に共用の遊び場を設ける設備変更を計画している。この計画は、屋上の使用方法の変更を伴い、専有部分には影響を及ぼさない。ただし、屋上へのアクセスは各棟からのみ可能であり、専有部分を通じてのアクセスは想定されていない。
１ 設備変更を行うための決議は、各棟の区分所有者全員の合意が必要である。
２ 設備変更に関する決議は、管理組合の規約に特別の定めがない限り、議決権の過半数により行われる。
３ 設備変更の決議を行うには、事前に全区分所有者に対して変更内容の通知をし、説明会を開催する必要がある。
４ 設備変更の決議が成立した場合、反対票を投じた区分所有者もその決議に拘束される。
問１０ 解答
正解 ４ （難易度B）
１ × 屋上の遊び場設置は共用部分の変更に該当し、区分所有者全員の合意は原則として必要ではないが、専有部分に影響がある場合はその区分所有者の合意が必要となる（区分所有法第12条の規定）。
２ × この記述は間違っている。区分所有法によると、共用部分の変更には、原則として規約で定められた議決権の過半数による合意が必要であるが、特別な変更の場合は、議決権の4分の3以上の合意が必要である（区分所有法第13条）。
３ × 設備変更の決議に先立っての通知や説明会の開催は法律により必ずしも義務づけられているわけではなく、規約によって異なる。しかし、適切な合意形成のためには、このようなプロセスが望ましいとされる。
４ ○ 正しい。区分所有法において、設備変更の決議が正当な手続きにより成立した場合、決議に反対した区分所有者もその決議に従わなければならないと規定されている（区分所有法第14条の2項）。
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