問４　乙マンションの管理組合が、業者Bとの間で締結した清掃業務の請負契約について、区分所有法及び民法（明治29年法律第89号）の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。

１　管理組合は、Bとの別段の合意がない限り、Bに対し、業務に着手した時に報酬の全額を支払わなければならない。

２　管理組合は、業務が完成した後でも、Bに生じた損害を賠償して請負契約を解除することができる。

３　Bの行った清掃業務に契約不適合がある場合、管理組合は、その不適合を知った時から1年以内にその旨をBに対して通知しなければ、履行の追完の請求をすることができない。

４　請負契約が業務の完成前に解除された場合であっても、Bが既にした清掃業務によって管理組合が利益を受けるときは、Bは、管理組合が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。

問４　解答

正解　４　（難易度：C）

１．×　民法の請負契約に関する規定（民法第632条など）によれば、請負人が仕事を完成することを約し、注文者がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約する。したがって、業務に着手した時点で報酬の全額を支払う必要は明示されていない​1​​2​​3​​4​。

２．×　民法の請負契約に関する規定に基づいても、業務が完成した後に契約を解除し、Bに生じた損害を賠償することに関する明確な規定はない​1​​2​​3​​4​。

３．×　民法における請負契約の規定に基づき、契約不適合の通知期限に関する1年以内の規定は明示されていない​1​​2​​3​​4​。

４．○　請負契約が業務の完成前に解除され、Bが既にした清掃業務によって管理組合が利益を受ける場合、Bは管理組合が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することが可能であるが、具体的な法律条文の明示は見つかりませんでした。しかし、この選択肢は、請負契約の基本的な原則に従って、既に提供されたサービスに対する報酬の請求が可能であることを示しています。