1 YがZの代理人も引き受け、XZ双方の代理人として甲の家屋に係るXZ間の賃貸契約を締結した場合、Xに損害が発生しなければ、Yの代理行為は無権代理とはみなされない。
2 Yが自己又は第三者の利益を図る目的で、Xの代理人として甲の家屋をWに賃貸した場合、Wがその目的を知り、又は知ることができたときは、Yの代理行為は無権代理とみなされる。
3 XがYに授与した代理権が消滅した後、YがXの代理人と称して、甲の家屋をUに賃貸した場合、XがUに対して家屋を提供する責任を負うことはない。
4 Yが、Xから代理権を授与されていないX所有の乙の家屋の賃貸につき、Xの代理人としてTと賃貸契約を締結した場合、XがTに対して追認の意思表示をすれば、Yの代理行為は、追認の時からXに対して効力を生ずる。
問2 解答
正解 2 (難易度:B)
1.× 代理人が双方の代理人として契約を締結した場合、その契約は瑕疵があるものとされる。これは、代理人が双方の利益を代表することが困難であるため、その代理行為は当然無権代理とみなされる可能性がある。損害の有無に関わらず無権代理の可能性は考慮される。参照:民法第64条。
2.○ 正しい。民法第63条において、代理権の範囲外での代理行為は、本人の追認がない限り無効とされています。Yが自己又は第三者の利益を図る目的でXの代理として行動した場合、それが代理権の範囲を超えている可能性がある。Wがその目的を知り、又は知ることができたとき、Yの行為は無権代理とみなされる。
3.× 代理権が消滅した後の代理行為は、原則として無権代理とみなされます。しかし、Xがその事実を知っていた場合や、Xがその代理行為を追認した場合、UはXに対して家屋の提供を求めることができる。参照:民法第63条及び第66条。
4.× Yの行為は、Xからの代理権の授与がないため、無権代理とみなされます。しかし、XがTに対して追認の意思表示をすることで、その代理行為は追認の時からXに対して効力を生じるというのは正確です。しかし、この選択肢が不正解である理由は、Yが無権代理として行動したこと自体が問題であるという点です。参照:民法第63条及び第68条。
コメント