問8 権利関係
甲は、乙から土地(以下「本件土地」という。)を賃借し、その上に自己の資金で建物(以下「本件建物」という。)を建設した。後に、甲は乙に対して本件土地の賃借権と本件建物を譲渡する旨を通知し、乙はこれを承諾した。この場合における次の記述のうち、民法及び建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。なお、乙は本件土地の所有者であり、本件建物についての登記は行われていないものとする。
1 甲が本件建物を譲渡したとしても、建物の所有権の移転には登記が必要であるため、登記がない限り乙は本件建物の所有権を取得していない。
2 本件建物は、甲が賃借した本件土地の上に建設されたため、原則として乙が所有する土地の附属物となり、甲の譲渡によらず乙が所有権を有する。
3 甲から乙への通知及び乙の承諾により、本件建物の所有権は甲から乙に移転し、乙は本件建物の所有者となる。
4 乙が本件建物の所有権を取得するためには、建物の区分所有等に関する法律に基づく登記が必要であるため、承諾のみでは不十分である。
問8 解答
正解 2 (難易度:C)
1.× 誤っている。民法第177条によれば、建物などの不動産の所有権の移転には登記が必要であるが、本件のように土地の賃借人が建てた建物については、土地の所有者に帰属する(民法第187条)。したがって、甲から乙への登記なしの所有権移転は、この場合には問題ない。
2.○ 正しい。民法第187条によれば、土地の賃借人がその土地に建てた建物は、原則として土地の所有者の所有する附属物となる。このため、本件建物は乙が所有することになり、甲の譲渡行為はこの点において影響を及ぼさない。
3.× 誤っている。本件建物は甲が建設したが、民法第187条に基づき土地の所有者である乙の所有となるため、甲から乙への通知及び乙の承諾による所有権移転は発生しない。
4.× 誤っている。建物の区分所有等に関する法律は、区分所有の建物に関する規定であり、本件のような個別の建物には適用されない。また、民法第187条により、本件建物の所有権は乙に帰属しているため、別途登記の必要はない。
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