宅地建物取引業者Bがその業務に関して行う契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
1.Bは、土地の賃貸において、当該土地の所有者から賃貸の依頼を受け、契約期間の別を明示せずに契約を結んだものの、賃貸を希望する者からの問合せはなく、契約成立には至らなかった場合には、当該契約は法第38条の規定に違反するものではない。
2.Bは、自ら賃貸人として、新築のアパートについて「耐震設計完了」と明示した上で契約を行った。当該契約は、耐震基準を満たしたものと誤認させるものではないため、法第37条の規定に違反するものではない。
3.Bは、顧客を集めるために貸す意思のない条件の良い土地を契約内容として提示し、実際は他の土地を賃貸しようとしたが、顧客からの契約希望がなく、賃貸契約が成立しなかった場合であっても、監督処分の対象となる。
4.Bは、免許を受けた都道府県知事から宅地建物取引業の免許の取消しを受けたものの、当該免許の取消し前に土地の賃貸の契約をしていた場合、当該土地の賃貸契約を締結する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなされる。
問30 解答
正解 3 (難易度:B)
× 解説:
宅地建物取引業法第38条は、宅地建物取引業者が業務を遂行する際の誠実の義務や公正な取引を求める内容の規定ではありません。したがって、契約期間の別を明示せずに契約を結ぶことが第38条の規定に違反するかどうかを示すものではない。この選択肢の記述が正確ではない。
× 解説:
宅地建物取引業法第37条の規定では、宅地建物取引業者が不動産に関する取引を行う際の誤認を招くような不実の表示等を禁じています。したがって、「耐震設計完了」と明示し、実際には耐震基準を満たしていない場合、誤認を招く可能性があり、法第37条の規定に違反する可能性がある。
○ 正しい:
顧客を集めるための虚偽の表示や虚偽の方法での業務遂行は、宅地建物取引業法上、公正な取引を求める原則に反します。また、宅地建物取引業法は、誠実に業務を行うことを宅地建物取引業者に求めています。このため、虚偽の方法での業務遂行は監督処分の対象となり得る。
× 解説:
免許の取消しを受けた宅地建物取引業者は、取消しの効力が発生する時点で、宅地建物取引業者としての資格を喪失します。したがって、免許取消し後に行った取引活動は、免許を有していない状態での取引活動とみなされ、違法となります。この選択肢の記述が正確ではない。
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