MがN所有の甲土地を建物所有目的でなく利用するための権原が、①地上権である場合と②賃借権である場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、MもNも対抗要件を備えているものとする。
1.①でも②でも、特約がなくても、NはMに対して、甲土地の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。
2.OがNに無断でMから当該権原を譲り受け、甲土地を使用しているときは、①でも②でも、NはOに対して、甲土地の明渡しを請求することができる。
3.①では、Mは当該権原を目的とする抵当権を設定することができるが、②では、Mは当該権原を目的とする抵当権を設定することはできない。
4.Pが甲土地を不法占拠してMの土地利用を妨害している場合、①では、Mは当該権原に基づく妨害排除請求権を行使してPの妨害の排除を求めることができるが、②では、MはPの妨害の排除を求めることはできない。
問8 解答
正解 3 (難易度 B)
1.× 解説:地上権(①)の場合、民法324条によりNはMに対して修繕をする義務を負います。しかし、賃借権(②)の場合、民法602条により、特約がない限りNは修繕義務を負わない。
2.× 解説:地上権(①)の場合、Oが無断で権原を譲り受けた場合、NはOに対して甲土地の明渡しを請求することができます。しかし、賃借権(②)の場合、民法615条により、NはOに対して明渡しを請求できない。
3.○ 正しい:地上権(①)の場合、民法305条により、Mは当該権原を目的とする抵当権を設定することができます。賃借権(②)の場合、民法584条により、Mは当該権原を目的とする抵当権を設定することはできません。
4.× 解説:地上権(①)の場合、Mは当該権原に基づく妨害排除請求権を行使してPの妨害の排除を求めることができます。賃借権(②)の場合も、民法609条により、MはPの妨害の排除を求めることができます。
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