第一回 問3 制限行為能力者

成年後見制度に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1.成年後見人は、成年被後見人の法律行為を取り消すためには、家庭裁判所の許可を得なければならない。

2.成年被後見人が結婚する場合、成年後見人がその結婚を承認する権限を持つ。

3.成年後見人は、成年被後見人の債務の弁済を拒否する権限があるが、その債務が成年被後見人の生活費に関するものである場合には、拒否する権限がない。

4.成年後見人は、成年被後見人が遺言をする際に、その遺言を承認する権限を持つ。

問3 解答

正解 3 (難易度 B)

1.× 解説:成年後見人は、成年被後見人の無効な法律行為を取り消す権限を持つが、家庭裁判所の許可を得る必要はない(民法23条、162条)。

2.× 解説:成年被後見人が結婚する場合、成年後見人がその結婚を承認する権限を持っているわけではなく、家庭裁判所の許可が必要である(民法761条の3)。

3.○ 正しい:成年後見人は、成年被後見人の債務の弁済を拒否する権限があるが、その債務が成年被後見人の生活費に関するものである場合には、拒否する権限がない(民法24条)。

4.× 解説:成年後見人は、成年被後見人が遺言をする際に、その遺言を承認する権限を持っているわけではなく、家庭裁判所の許可が必要である(民法960条、961条)。

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