令和5年度問9 Aを貸主、Bを借主として甲建物の賃貸借契約が令和5年7月1日に締結された場合の甲建物の修繕に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

問9 権利関係

1 甲建物の修繕が必要であることを、Aが知ったにもかかわらず、Aが相当の期間内に必要な修繕をしないときは、Bは甲建物の修繕をすることができる。

2 甲建物の修繕が必要である場合において、BがAに修繕が必要である旨を通知したにもかかわらず、Aが必要な修繕を直ちにしないときは、Bは甲建物の修繕をすることができる。

3 Bの責めに帰すべき事由によって甲建物の修繕が必要となった場合は、Aは甲建物を修繕する義務を負わない。

4 甲建物の修繕が必要である場合において、急迫の事情があるときは、Bは甲建物の修繕をすることができる。

問9 解答

正解 2 (難易度:B)

各選択肢の解説は以下の通りです:

1.○ 正しい。民法第605条に基づくと、貸主(A)が修繕の必要性を知りながらも、相当の期間内に修繕をしない場合、借主(B)は自ら修繕を行うことができます。これは、貸主が修繕義務を怠ったときに借主が自己救済できるようにするための規定です。

2.× 誤り。この記述は、民法第605条の規定と矛盾します。通知しただけで直ちに修繕をしない場合に借主が修繕できるとするのは不適切です。貸主には、修繕を行うための相当の期間が必要です。したがって、BがAに通知した後、即座にAが修繕をしないからといってBが修繕を行えるわけではありません。

3.○ 正しい。民法第606条によると、借主の責めに帰すべき事由によって修繕が必要となった場合、貸主はその修繕をする義務を負いません。この場合、修繕の責任は借主にあります。

4.○ 正しい。急迫の事情がある場合、民法第605条の2に基づき、借主(B)は自ら甲建物の修繕をすることができます。この規定は、緊急を要する修繕が必要な場合に、借主が迅速に対処できるようにするためのものです。

不正解の選択肢解説:

  • 2:修繕が必要である旨を通知した後、直ちに修繕をしないからといって借主が修繕を行うことはできません。貸主には修繕を行うための相当の期間が認められています(民法第605条)。

この問題は、民法における賃貸借契約に関連する貸主と借主の修繕に関する義務と権利を理解しているかを試すものです。賃貸借関係における修繕の責任と対応は、実務上も重要なポイントであり、適切な知識が求められます。類似の過去問についての情報は提供されていませんが、これらの内容は賃貸借契約を扱う際の基本的かつ重要な法律知識です。

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