令和５年度問１７　建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

問１７　法令制限

１　地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定し、当該区域内における住居の用に供する建築物の建築を禁止することができる。

２　3階建て以上の建築物の避難階以外の階を、床面積の合計が1,500㎡を超える物品販売業の店舗の売場とする場合には、当該階から避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならない。

３　建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合、その全部について準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。

４　石綿等をあらかじめ添加した建築材料は、石綿等を飛散又は発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものを除き、使用してはならない。

問１７　解答

正解　３　（難易度：C）

１．○　正しい。建築基準法第77条の2に基づき、地方公共団体は津波や高潮など特定の災害に著しく危険な区域を災害危険区域として指定し、住居用建築物の建築制限を行うことができる。

２．○　正しい。建築基準法施行令第109条の2では、床面積が一定の規模を超える物品販売業の店舗を有する建築物には、避難のための2以上の直通階段の設置を義務付けている。

３．×　誤っている。建築基準法第22条の2によると、建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合、その全部について防火地域内の建築物に関する規定を適用する。本問の記述はこの規定と逆であるため誤りである。

４．○　正しい。建築基準法第48条には、石綿などを含む建築材料の使用制限に関する規定があり、国土交通大臣が定めた基準に適合するもの、または認定を受けたものを除いて使用が禁止されている。

不正解の選択肢３の誤りは、適用される規定が防火地域と準防火地域で逆になっている点にあります。防火地域の方が厳しい基準が適用されるため、両者にまたがる建築物は防火地域の規定に従う必要があります。