問11 権利関係
1 本件契約に、当初の10年間は地代を減額しない旨の特約を定めた場合、その期間内は、BはAに対して地代の減額請求をすることはできない。
2 本件契約が甲土地上で専ら賃貸アパート事業用の建物を所有する目的である場合、契約の更新や建物の築造による存続期間の延長がない旨を定めるためには、公正証書で合意しなければならない。
3 本件契約に建物買取請求権を排除する旨の特約が定められていない場合、本件契約が終了したときは、その終了事由のいかんにかかわらず、BはAに対してBが甲士地上に所有している建物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
4 本件契約がBの居住のための建物を所有する目的であり契約の更新がない旨を定めていない契約であって、期間満了する場合において甲土地上に建物があり、Bが契約の更新を請求したとしても、Aが遅滞なく異議を述べ、その異議に更新を拒絶する正当な事由があると認められる場合は、本件契約は更新されない。
問11 解答
正解 4 (難易度:B)
1.○ 正しい。借地借家法の規定によれば、地代の減額請求権は、契約において特約で変更することが可能です。したがって、当初の10年間は地代を減額しないという特約を定めた場合、その期間内にBはAに対して地代の減額請求をすることはできません。
2.× 誤っている。建物を所有する目的での賃貸借契約において、契約の更新や建物の築造による存続期間の延長がない旨を定める特約は、特に公正証書でなければならないという規定は借地借家法には存在しません。契約の形式は当事者の合意によって自由に定められます。
3.○ 正しい。借地借家法22条の2に基づき、建物買取請求権は、契約において特約で排除されていない限り、借地人に与えられています。したがって、特約が定められていない場合、契約終了時にBはAに対して建物を時価で買い取るべきことを請求することができます。
4.○ 正しい。借地借家法32条に基づき、居住用建物の所有を目的とする借地契約においては、契約期間満了時に借地人が契約の更新を請求した場合、原則として契約は更新されます。しかし、貸主が更新を拒絶する正当な事由があり、それを遅滞なく述べた場合、契約は更新されません。この規定は、貸主の土地の利用計画などを考慮に入れたものです。
したがって、最も不適切な記述は「2 本件契約が甲土地上で専ら賃貸アパート事業用の建物を所有する目的である場合、契約の更新や建物の築造による存続期間の延長がない旨を定めるためには、公正証書で合意しなければならない。」です。過去問との類似性についての情報は特にありませんでした。
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