問5 権利関係
1 不在者が管理人を置かなかったときは、当該不在者の生死が7年間明らかでない場合に限り、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。
2 不在者が管理人を置いた場合において、その不在者の生死が明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官から請求があったとしても管理人を改任することはできない。
3 家庭裁判所により選任された管理人は、不在者を被告とする建物収去土地明渡請求を認容した第一審判決に対して控訴を提起するには、家庭裁判所の許可が必要である。
4 家庭裁判所により選任された管理人は、保存行為として不在者の自宅を修理することができるほか、家庭裁判所の許可を得てこれを売却することができる。
問5 解答
正解 4 (難易度:B)
1.× 誤っている。民法30条の規定によると、不在者が管理人を置かなかった場合、その不在者の生死が明らかでなくても、利害関係人又は検察官は家庭裁判所に請求して不在者の財産管理についての処分を命じることができます。7年間の期限は設けられていません。この選択肢は、不在者の管理に関する条件を誤解しています。
2.× 誤っている。民法29条によれば、家庭裁判所は、不在者が管理人を置いた場合でも、必要があれば管理人を改任することができます。これは、不在者の財産の適切な管理を確保するための措置です。選択肢2は管理人の改任に関する規定を誤って理解しています。
3.× 誤っている。民法31条に基づき、家庭裁判所により選任された管理人は、不在者を代理して訴訟を行うことができますが、重要な訴訟行為、例えば控訴を提起する場合には、家庭裁判所の許可が必要となるのは正しいです。ただし、この一般的な原則が特定の判決に対してどのように適用されるかは、個々のケースによります。選択肢3はこの点を明確化していないため、不正確です。
4.○ 正しい。民法28条及び31条によると、家庭裁判所により選任された管理人は、不在者の財産を保存するための行為を行うことができます。これには自宅の修理などの保存行為が含まれます。また、管理人は家庭裁判所の許可を得て財産を売却することもできます。この選択肢は、管理人の権限に関する民法の規定を正確に反映しています。
不正解の選択肢1, 2, 3は、民法の規定やその適用を誤解しています。過去問との類似性は特に確認されませんでした。
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