【問 39】 宅地建物取引業者Xが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Yとの間で締結したアパートの賃貸契約について、Yが宅地建物取引業法第38条の規定に基づき、いわゆるクーリング・オフによる契約の解除をする場合における次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 Yは、Xの仮設テント張りの展示場で賃貸の申込みをし、3日後、Xの事務所で契約を締結した上で敷金全額を支払った。その4日後、Yが、アパートの引渡しを受ける前に当該契約について解除の書面を送付した場合、Xは敷金全額が支払われていることを理由に契約の解除を拒むことができる。

2 Yは、自らの希望により自宅で賃貸の申込みをし、賃貸契約を締結した。当該契約に係るクーリング・オフについては、その5日後にXから書面で告げられた場合、Yは、当該契約の締結日から12日後であっても契約の解除をすることができる。

3 Yは、Xの仮設テント張りの展示場で賃貸の申込みをし、Xの事務所でクーリング・オフについて書面で告げられ、その日に契約を締結した。この書面の中で、クーリング・オフによる契約の解除ができる期間を15日間としていた場合、Yは、当該契約の締結日から11日後であっても契約の解除をすることができる。

4 Yは、賃貸契約締結後に速やかに家具の購入を希望し、自ら指定した家具店での購入相談のため、その家具店で賃貸の申込み及び賃貸契約の締結をし、その際、クーリング・オフについて書面で告げられた。その7日後、Yが当該契約について解除の書面を送付した場合、Xは契約の解除を拒むことができない。

問39 解答

正解 3 (難易度:B)

【問 39】の選択肢に基づく解説:

1 × 誤り。宅地建物取引業法第38条の2において、クーリング・オフの期間は契約書等を受け取った日の翌日から8日間であるとされている。Yがアパートの引渡しを受ける前に解除の書面を送付した場合、8日間の期間内であるため、Xは敷金が支払われていることを理由に契約の解除を拒むことはできない。

2 ○ 正しい。クーリング・オフの権利の存在や期間等に関する記載を受け取るまでの間、及びそれを受け取った日の翌日から8日間は契約を解除することができる。

3 × 誤り。宅地建物取引業法第38条の2は、クーリング・オフの期間を8日間と定めており、これを超えて拡張することは認められていない。したがって、15日間と書面に記載されていても、実際のクーリング・オフの期間は8日間である。

4 ○ 正しい。賃貸契約の締結と同時にクーリング・オフについて書面で告げられている場合、契約書等を受け取った日の翌日から8日間は契約を解除することができる。

以上の考察から、誤っている記述は「3」です。

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