【問 12】 賃貸人Xと賃借人Yとの間で令和4年8月5日に締結した商業用建物の賃貸借契約に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

1 賃貸借契約の期間内にYが営業を中止した場合、Xはそれを理由に賃貸借契約を解除することができる。

2 Xが提供した建物に欠陥が見つかった場合、Yは修繕を要求するだけでなく、賃料の減額を求めることができる。

3 YがXの承諾を得ずに建物の一部を改造した場合、Xはそれを理由に賃貸借契約を解除することができる、ただしYがその改造を元に戻す意思がある場合、解除はできない。

4 Yが相続人なしに死亡した場合、Yと一緒にその商業活動を行っていたパートナーZは、Yが相続人なしに死亡したことを知った後2ヶ月以内にXに反対の意思表示をしない限り、賃借人としてのYの権利義務を承継する。

問12 解答

正解 3 (難易度B)

1.× 解説:民法(旧民法)第615条によれば、賃貸借契約の期間内に賃借人が営業を中止した場合、それだけを理由に賃貸人が賃貸借契約を解除することはできない。賃貸借契約の解除は、例えば賃料の未払いなどの特定の理由が必要であり、単なる営業中止は該当しない。

2.× 解説:民法(旧民法)第605条に基づき、物件に欠陥があった場合、賃借人はその修繕を賃貸人に要求することができる。さらに、その欠陥により賃料の価値が減少した場合、相当額の賃料の減額を求めることもできる。

3.○ 正しい

4.× 解説:借地借家法によれば、賃借人が相続人なしに死亡した場合、賃借権は終了する。ただし、同居していた配偶者や親族が存在する場合、これらの者が賃借権を継承することが認められる。ただし、事実上の夫婦や商業活動のパートナー等、法的な継承資格を持たない者が権利義務を継承することは原則として認められていない。

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