第二回 問6 物権変動

不動産の取得・処分に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例に基づき、誤っているものはどれか。

1.不動産の質権を設定した後、該当する不動産の所有権が変動した場合、新たな所有者は、前述の質権について、その登記を基に対抗することができる。

2.土地とその上の建物は一体的なものとして考えられ、土地の所有権の変動時、上の建物の所有権も自動的に変動する。

3.担保目的の不動産についての抵当権を設定し、その後、該当する不動産を第三者に売却した場合、該当の抵当権は自動的に消滅する。

4.時効による所有権の取得を進行中の不動産について、他者からその権利を取得した第三者は、前述の時効取得に関与することはできない。

問6 解答

正解 2 (難易度B)

1.× 解説

不動産の質権に関して、所有権の変動後も前の所有者が設定した質権は有効であり、新たな所有者は該当する質権について対抗することができる。ただし、対抗要件として、新たな所有者がその質権を知り得ない場合には対抗できない。民法第177条に基づく。

2.○ 正しい

土地とその上の建物は、法的には別々の物として扱われるが、所有権の変動については、一体的なものとして取り扱われる場合が多い。土地の所有権が変動する場合、その土地上の建物の所有権も変動するのは基本的な原則であり、民法第87条によって定められている。

3.× 解説

不動産を担保としての抵当権を設定した後、該当する不動産を第三者に売却しても、抵当権は自動的に消滅しない。売却された不動産は、その抵当権の担保範囲内で第三者に移転される。民法第372条に基づく。

4.× 解説

時効による所有権の取得が進行中であっても、その間に第三者が当該不動産の権利を取得することは可能である。ただし、時効の完成後、取得者は登記を行わないと第三者に対してその権利を主張できない。民法第167条及び第168条に基づく。

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