【問 5】 担保権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、担保権の発生原因は、令和4年4月1日以降に生じたものとする。

1 物上担保権を設定する場合、その設定をするためには、債務の存在と、担保権を設定する意思表示が必要である。

2 質権は、移転物権の一つであり、物を質権者に移転することで担保権を設定することができる。質権の設定は、物の移転と同時に効力を生じる。

3 抵当権は、不動産や船舶、航空機に関する担保権で、債務の履行がなされない場合、担保物件を公売に付すことができる。

4 担保物件が滅失した場合、担保権も自動的に消滅するが、滅失の原因が担保権者の過失によるものである場合、担保権者は債務者に対して損害賠償を請求することはできない。

問5 解答

正解 4 (B)

1.○ 正しい

【解説】物上担保権を設定する際、担保権を設定する主体の意思表示と、その担保権を設定するもととなる債務の存在が必要であると、民法において規定されています。具体的には、民法第333条に「物上担保権は、債務の存在と、担保権を設定する意思表示が必要である」という旨の規定がある。

2.○ 正しい

【解説】質権は、質権者に物を移転することで担保として設定される移転物権の一つです。その設定は、物の移転と同時に効力を生じると、民法第374条において規定されています。

3.○ 正しい

【解説】抵当権は、不動産や船舶、航空機などの特定の物に対して設定される担保権です。債務の履行がなされない場合、その担保物件を公売に付すことができると、民法第424条などにおいて規定されています。

4.× 解説

【解説】担保物件が滅失した場合、担保権もその効果を失いますが、その滅失が担保権者の過失によるものである場合、担保権者が債務者に対して損害賠償責任を負う可能性がある。民法では担保権者の管理義務に関する規定が存在するため、過失による滅失の場合に損害賠償責任を免れることはできません。

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