【問 1】 契約不履行(令和3年4月1日以降に発生したもの)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 遅延損害金の約定がある場合でも、当事者は実際の損害が遅延損害金の額を上回る場合、その差額を請求することができる。

2 物の買売契約において、売主が買主に物を引き渡さない場合、買主は売主に対して、物の価格の返還と共に利息を請求することができる。

3 契約上の義務を履行しない場合、相手方がその義務の履行を求めることができるが、その義務の内容が特定の方法での履行を要するものでない限り、法的手段を用いて履行を強制することはできない。

4 賃借契約において、借主が賃料を遅滞無く支払わない場合、賃貸人は即座に契約を解除することができる。

問1 解答

正解 4 (難易度:B)

1.○ 正しい
民法第420条によれば、損害の額が遅延損害金の約定額を上回った場合、その差額を請求することができます。ただし、遅延損害金の額が実害を超える場合、超過した部分については、請求することはできません。

2.○ 正しい
民法第541条によれば、売主が物を引き渡さない場合、買主はその履行を求めることができます。また、買主が物の価格を支払った場合で、売主が物の引渡しを拒否したときは、買主は物の価格の返還を求めることができます。これに伴う利息の請求も可能です。

3.○ 正しい
民法第415条に基づき、債権者は債務者に対して、履行を求めることができます。しかし、履行の内容が特定の方法での履行を要するものではない限り、履行の強制は一般的には困難です。

4.× 賃借契約において、一回の賃料の遅滞によって即座に契約を解除することは通常できません。民法第603条において、借主が賃料を支払わない場合の契約解除には、一定の条件が定められており、即座の解除は認められていない。

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