令和元年度問11 鉄筋コンクリート造建物の調査部位に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

コンクリート

問11 調査診断

鉄筋コンクリート造建物の調査部位に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 .バルコニーの床のひび割れ調査では、鉄筋のかぶり厚さが確保しにくい床スラブの上端を調査の対象とするのがよい。

2 .アルカリ骨材反応の調査では、微破壊調査に支障のない駐車場、共用廊下、共用階段室等の壁面を、調査の対象とするのがよい。

3 .鉄筋のかぶり厚さの調査では、鉄筋に沿ったひび割れが確認された部位を、計測の対象とするのがよい。

4 .凍害の調査では、屋上のパラペットや防水層コンクリート保護層を、調査の対象とするのがよい。

問11 解答

正解 1 (難易度:B)

  1. × バルコニーの床のひび割れ調査で、床スラブの上端を対象とするのは不適切です。上端は通常、鉄筋のかぶり厚さが確保しにくい部分であり、実際の構造的健全性を反映していない可能性があります。正確な調査のためには、床スラブの下端や鉄筋の配置が確認しやすい部位を選ぶべきです。これにより、より正確なデータを得て、建物の安全性を適切に評価することができます。
  2. ○ アルカリ骨材反応は、コンクリート内の骨材とアルカリ成分が反応して拡大し、ひび割れなどを引き起こす現象です。微破壊調査に支障がない駐車場や共用部分の壁面は、この反応の影響を確認するのに適しています。これらの部位は通常、構造的に重要であり、アルカリ骨材反応による影響が出やすいため、調査の良い対象となります。
  3. ○ 鉄筋のかぶり厚さを調査する際には、鉄筋に沿ったひび割れが見られる部位が重要な調査対象です。これらのひび割れは、鉄筋の腐食やコンクリートの破損を示す可能性があり、建物の構造的健全性に重大な影響を与えることがあるため、計測の対象とするのは適切です。
  4. ○ 凍害の調査では、屋上のパラペットや防水層コンクリート保護層など、凍害によるダメージが顕著に現れやすい部位を調査対象とするのが適切です。これらの部位は、水分の侵入と凍結による影響を直接受けやすく、凍害の兆候を検出するのに理想的な場所です。

選択肢1は、バルコニーの床スラブの上端を調査対象とすることが推奨されていないため、最も不適切な選択肢です。実際のところ、鉄筋のかぶり厚さや構造的な問題を正確に評価するためには、床スラブの下端や他の適切な部位を調査するべきです。

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