令和元年度問12 鉄筋コンクリート造建物の調査診断に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

コンクリート

問12 調査診断

鉄筋コンクリート造建物の調査診断に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 .塩害の調査では、コンクリート中の塩化物イオン量を測定して、鉄筋の腐食に影響を及ぼすものであるかどうかを予測する。

2 .アルカリ骨材反応の調査では、電磁誘導法による調査機器を用いて反応性骨材の有無を調査する。

3 .コンクリートのひび割れ目視調査では、ひび割れの形態と発生部位で原因を推定する。

4 .中性化の調査では、採取したコンクリートのコアにフェノールフタレイン溶液を噴霧し、赤色となる変色反応で中性化深さを測定する。

問12 解答

正解 2 (難易度:B)

1.○ 正しい。塩害の調査でコンクリート中の塩化物イオン量を測定することは一般的な手法であり、これによって鉄筋の腐食リスクを評価することができます。

2.× 不適切。アルカリ骨材反応の調査では、電磁誘導法ではなく、コンクリートのコアを採取して実際に反応性骨材の有無を確認するか、または拡大鏡等による目視調査で反応産物の有無を確認する方法が一般的です。電磁誘導法はコンクリート中の金属類の位置を検出するのに用いられ、アルカリ骨材反応の直接的な検出には適していません。

3.○ 正しい。コンクリートのひび割れ目視調査は、ひび割れの形態や発生部位を観察することで、その原因を推定する基本的な方法です。

4.○ 正しい。中性化の調査において、フェノールフタレイン溶液を噴霧し、コンクリートが赤色に変色しない部分を中性化している部分と判断するのは、実際に行われている試験方法です。

解説:
選択肢2はアルカリ骨材反応の調査方法について誤りがあります。アルカリ骨材反応は、コンクリート中のアルカリ成分と反応性の高い骨材が化学反応を起こすことで生じますが、その反応性の有無を直接調べるために電磁誘導法を用いることはありません。このため、この選択肢が最も不適切です。

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