令和元年度問9大規模修繕工事の調査診断、設計及び工事監理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

令和元年度

問9 大規模修繕工事

大規模修繕工事の調査診断、設計及び工事監理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 .建物の一次診断では、設計図書・ヒアリング等による概要調査を実施する。

2 .建物の二次診断では、仕上材の撤去や小規模な破壊を伴う検査を実施する。

3 .設計者は、設計図書に基づく施工要領書を作成し、工事着工前に管理組合の承認を得る。

4 .監理者は、設計図書に指定された材料、仕上げの見本及び施工状況を検査し、設計図書と整合していれば承認する。

問9 解答

正解 3 (難易度:B)

  1. ○ 一次診断では、概要調査を行うのが一般的です。これには、設計図書の確認やヒアリングを通じた建物の現状把握が含まれます。この段階では、大規模な調査や破壊を伴う検査は行われず、建物の基本的な情報を収集することが目的です。この記述は適切です。
  2. ○ 二次診断では、より詳細な調査が行われ、必要に応じて仕上材の撤去や小規模な破壊を伴う検査が実施されます。これにより、建物の構造や隠れた問題点をより深く理解することが可能になります。この記述も適切です。
  3. × 設計者は確かに設計図書に基づく施工要領書を作成しますが、必ずしも管理組合の承認を得る必要はありません。設計者の責務は、設計図書に従って施工が行われるよう監督することであり、管理組合の承認は必要とされない場合が多いです。この点が不適切です。
  4. ○ 監理者の責務には、工事の過程で使用される材料や施工状況の検査が含まれます。監理者は、設計図書に指定された仕様と施工状況が一致しているかを確認し、整合していれば承認します。この記述は監理者の役割を正確に反映しており、適切です。

不正解の選択肢3に関しては、設計者が施工要領書を作成することは正しいですが、その承認を管理組合から得る必要があるとする部分が不適切です。実際の工事プロセスでは、設計者と管理組合の役割と責任が異なり、このような承認プロセスは一般的ではありません。参考資料としては、建築基準法、建築物の修繕に関するガイドラインやベストプラクティスなどが挙げられます。

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