令和元年度問7長期修繕計画の作成及び見直しに関する次の記述のうち、長期修繕計画作成ガイドラインによれば、最も適切なものはどれか。

令和元年度

問7 長期修繕計画

長期修繕計画の作成及び見直しに関する次の記述のうち、長期修繕計画作成ガイドラインによれば、最も適切なものはどれか。

1 .長期修繕計画は、建物や設備の劣化に対する修繕計画であるため、建物及び設備の性能向上のための改修工事は、収支計画の対象外とする。

2 .機械式駐車場の維持管理に多額の費用を要することが想定される場合、長期修繕計画の作成においては、修繕積立金会計に駐車場使用料会計を繰り入れる収支計画が望ましい。

3 .長期修繕計画を作成する際は、将来見込まれる修繕工事及び改修工事の内容、おおよその時期、概算の費用等を明確にする。

4 .5年程度ごとに調査・診断を行い、その結果に基づいて長期修繕計画を見直すことにより、12年程度ごとに実施される計画修繕工事の金額を算出する。

問7 解答

正解 3 (難易度:B)

  1. × 長期修繕計画には、建物や設備の維持管理だけでなく、性能向上を目的とした改修工事も含まれることがあります。ガイドラインによれば、長期的な視点での建物価値の維持・向上を図るため、劣化対策だけでなく、性能向上のための改修を考慮に入れることが推奨されています。したがって、改修工事を一律に収支計画の対象外とするのは不適切です。
  2. × 機械式駐車場の維持管理に多額の費用がかかる場合、その費用は修繕積立金から支出されるべきですが、駐車場使用料を修繕積立金会計に繰り入れることは一般的な方法ではありません。駐車場使用料は通常、別途管理され、必要に応じて修繕費用に充てられますが、これは管理組合の方針や規約に依存します。ガイドラインでは、収支計画において費用と収入を明確にし、適切な管理を行うことを推奨しています。
  3. ○ 長期修繕計画を作成する際には、将来必要となる修繕工事及び改修工事の内容、おおよその時期、概算費用などを明確にすることが重要です。これにより、計画的な資金の積み立てと効率的な建物管理が可能になります。長期修繕計画作成ガイドラインでは、こうした詳細な計画立案が推奨されており、正確な予算設定と効果的な修繕を実現するための基礎となります。
  4. × 定期的な調査・診断と計画の見直しは重要ですが、12年ごとに実施される計画修繕工事の金額を算出するという具体的な周期を設定するのは、必ずしも適切ではありません。実際には、建物の状況や使用される技術、経済状況などによって見直しの周期は変わる可能性があります。ガイドラインでは、状況に応じて柔軟に計画を見直すことを推奨しており、固定的な周期を設けるよりも、定期的かつ柔軟な見直しが望ましいとされています。

選択肢3が最も長期修繕計画作成ガイドラインに沿っており、将来の修繕・改修工事に関して明確な計画を立てることの重要性を示しています。このアプローチは、効率的で持続可能な建物管理を実現するために不可欠です。

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