問6 長期修繕計画
国土交通省が2008(平成20)年に策定した『「長期修繕計画標準様式」及び「長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」』(以下、「長期修繕計画作成ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 .長期修繕計画の構成は、マンションの建物・設備の概要等、調査・診断の概要、長期修繕計画の作成・修繕積立金の額の設定の考え方、長期修繕計画の内容、修繕積立金の額の設定を基本とする。
2 .既に行った法定点検及び長期修繕計画の見直しの履歴は、維持管理の状況として記載する。
3 .長期修繕計画のマンションの建物・設備の概要等には、建物及び設備の劣化状況、区分所有者の要望等に関する調査・診断の結果について、その要点を示すことが必要である。
4 .長期修繕計画の見直しのために実施する調査・診断の方法は、現状の劣化状況を把握するために、原則非破壊試験等の詳細診断によるものとする。
問6 解答
正解 4 (難易度:B)
- × 長期修繕計画作成ガイドラインでは、計画の構成要素として、建物・設備の概要、調査・診断の概要、長期修繕計画の作成と修繕積立金の額の設定の考え方、計画内容、修繕積立金の額の設定などが基本とされています。この記述は適切であり、ガイドラインの基本的な枠組みを反映しています。
- × 既に行われた法定点検や長期修繕計画の見直し履歴を、維持管理の状況として記載することは適切であり、これによって計画の透明性が高まり、区分所有者への情報提供が改善されます。
- × 長期修繕計画の建物・設備の概要には、劣化状況や区分所有者の要望に関する調査・診断結果の要点を示すことが必要です。これにより、具体的な修繕の必要性や優先順位を理解しやすくなります。
- ○ 長期修繕計画の見直しのために行う調査・診断の方法を「原則として非破壊試験等の詳細診断によるもの」と限定する記述は不適切です。実際には、調査・診断の方法は建物の状況、予算、時間などに応じて様々な方法が選ばれます。非破壊試験は一つの方法であるが、必ずしもすべての状況に適切なわけではなく、また詳細診断が常に必要なわけでもありません。
選択肢に類似の過去問は特定できませんでした。不正解の選択肢については、長期修繕計画の見直しにおける調査・診断方法に関する誤解を指摘しました。現実には、様々な要因を考慮して最も適切な調査・診断方法が選ばれるべきです。
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