問44 電気設備
電気設備の劣化及び診断に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 設備は、保守管理者の日常点検や小修繕を徹底しても経年による物理的劣化は避けられないが、耐用年数を過ぎると性能が低下し、事故や故障が頻発するため、設備の調査・診断が必要となる。
2 設備診断は、その目的によって電気設備のみの診断に対象が限定される場合と建物や他の設備全般にわたって診断する場合がある。
3 設備診断の手順としては、予備調査の後に、専門家による定量的な測定や必要に応じて分解点検をする1次診断が行われる。
4 設備診断の主な要素は、劣化診断の他に、環境機能診断・安全機能診断・省エネルギー機能診断がある。
問44 解答
正解 3 (難易度:C)
1.○ 正しい。日常点検や小修繕によって一定の保守は可能であるが、経年による物理的劣化は避けられず、耐用年数を超えると性能低下が起こりやすい。このため、定期的な設備の調査・診断は不可欠であり、この記述は適切である。
2.○ 正しい。設備診断はその目的や対象によって異なり、特定の電気設備に限定される場合もあれば、建物全体や他の設備にわたって行われる場合もある。このため、この選択肢も正しいといえる。
3.× 不適切。通常、設備診断は予備調査の後に行われるが、必ずしも1次診断が定量的な測定や分解点検に限定されるわけではない。診断の手法は設備の種類や状態、診断目的によって多岐にわたり、必ずしも分解点検が行われるわけではないため、この記述は不適切である。
4.○ 正しい。設備診断には、劣化状態の把握のための劣化診断の他に、環境機能、安全機能、省エネルギー機能などの診断が含まれることが多い。これらは設備の持続的な運用と性能保持に重要な要素であり、この記述は適切である。
解説:設備診断は、その設備の種類や使用状況、目的に応じて多様な方法が取られます。定量的な測定や分解点検は一般的な手法の一つですが、すべての診断がこれに限定されるわけではありません。また、劣化だけでなく、環境や安全、省エネルギーといった側面も重要な診断要素となります。したがって、選択肢3の一般化された表現はこの文脈では不適切と考えられます。
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