令和2年度問32 給水・給湯設備の劣化に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

令和2年度

問32 給水設備

1 設備機器・配管の機能的劣化の主原因は金属の腐食劣化であり、金等の貴金属を除き、ほとんどの金属は水等の電解質と酸素の存在による電気化学作用によって腐食してしまう。
2 合成樹脂管は腐食しないが、劣化現象としては、振動・伸縮の繰り返しによる疲労割れ、経年劣化による強度の低下、クリープ劣化等がある。
3 生活レベルの向上、インテリジェント化等により従来設備が不満足な状態となることは設備の劣化には含めない。
4 ポンプ等の回転機器の機能的劣化としては、長期間の運転による摩耗等によって初期設定性能が出なくなる性能低下がある。

問32 解答

正解 3 (難易度:B)

1.× 設備機器・配管の機能的劣化の主原因が金属の腐食劣化であるというのは正しい。ほとんどの金属は、水や電解質、酸素の存在による電気化学作用で腐食する。これは、配管や設備の維持管理において非常に重要な点であり、不適切ではない。

2.× 合成樹脂管が腐食しないというのは正しいが、疲労割れ、経年劣化による強度の低下、クリープ劣化などが劣化現象として発生することも事実です。このため、この選択肢も不適切ではありません。

3.○ 生活レベルの向上やインテリジェント化により従来の設備が不満足な状態となることは、設備の物理的な劣化とは異なります。このような状態は、ユーザーのニーズの変化や技術の進歩によるものであり、設備そのものの機能的劣化とは直接関連していない。従って、この選択肢が最も不適切です。

4.× ポンプなどの回転機器は、長期間の運転による摩耗などで性能が低下することがあります。これは機能的劣化の一例であり、不適切な記述ではありません。

【解説】
給水・給湯設備の劣化に関する知識は、建築物の維持管理や改修計画において非常に重要です。金属の腐食劣化や合成樹脂管の経年劣化などは、設備の性能低下に直接関わる要因です。一方で、生活レベルの向上や技術の進化による不満足感は、設備そのものの物理的劣化とは区別されるべきです。この問題の難易度はBと設定されており、専門的な知識とともに、劣化現象を正確に理解し区別する能力が求められます。

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