令和2年度問19 塗装仕上げの劣化・調査診断に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

令和2年度

問19 劣化事象

1 塗料や建築用仕上塗材における一般的な劣化現象は、塗膜の内部より生じて経時とともに塗膜表面へと進行していく。
2 亜鉛めっき鋼板素地の一般的な劣化現象として、塗膜欠損後、亜鉛めっき面が露出すると、はじめに亜鉛に赤錆が発生する。
3 事前調査とは、改修対象となる建物の塗装外壁等の部位の概要を把握することを目的として、建築物の規模・構造・用途・竣工後の年数・立地地域環境・施工会社・改修工事履歴等について、新築時の設計図書や施工計画書、施工要領書等を調査するものである。
4 調査診断結果の評価方法としては、外観(美装性)は対象とならず、塗り仕上げの目的となる躯体の保護性能を重視し、その劣化程度(デグリー)により判断する。

問19 解答

正解 3 (難易度B)

  1. × 解説:
    塗料や建築用仕上塗材の劣化は通常、外部環境要因(例えば、UV放射、酸化、水分侵入など)によって塗膜の表面から始まり、経時とともに塗膜の内部へ進行していく。したがって、この記述は誤っています。
  2. × 解説:
    亜鉛めっき鋼板の一般的な劣化現象として、塗膜欠損後に亜鉛めっき面が露出すると、白錆が発生するのが一般的であり、赤錆は発生しない。赤錆は鉄が酸化することによって発生し、亜鉛めっきはこれを防ぐために存在する。
  3. ○ 正しい:
    事前調査は、改修対象となる建物の塗装外壁等の部位の概要を把握し、適切な保護措置や改修方法を計画するために重要である。新築時の設計図書や施工計画書、施工要領書等を調査し、建築物の規模、構造、用途、竣工後の年数、立地地域環境、施工会社、改修工事履歴等について把握することが求められる。
  4. × 解説:
    調査診断結果の評価方法としては、外観(美装性)も重要な評価項目であり、塗り仕上げの目的となる躯体の保護性能だけでなく、外観の保持も求められる。塗膜の劣化程度を判断する際には、美装性と保護性能の両方を考慮する必要がある。

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