令和5年度問15 鉄筋コンクリート造の外壁補修工事に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

コンクリート

問15 外壁

1 .欠損部の1箇所あたりの面積が0.25㎡以下で、下地モルタルからの欠損だったので、タイル部分張替え工法で補修した。

2 .タイルの部分張替えで、塗厚(付けしろ)が1.5mm ~ 2.0mmと薄かったので、外装タイル張り用接着剤を用いて補修した。

3 .通常の打撃力によって剥離しないモルタル浮き部分を、アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法で補修したが、特記がなかったのでアンカーピンは16本/㎡とした。

4 .モルタル塗り浮き部分の剥落防止に加え、 コンクリートの中性化の進行や凍結融解等による劣化を充填効果により抑制して、耐久性を確保するため、高粘度形のエポキシ樹脂を使用したアンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法で補修した。

問15 解答

正解 4 (難易度:C)

1.× 欠損部の面積が小さい場合、タイル部分張替え工法で補修することは一般的な方法です。下地モルタルからの欠損に対しても適用可能であり、この選択肢は不適切ではありません。

2.× タイルの部分張替えにおいて、塗厚が1.5mm~2.0mmと薄い場合、外装タイル張り用接着剤の使用は適切な補修方法です。このため、この選択肢も不適切ではありません。

3.× 通常の打撃力に耐えるモルタル浮き部分にアンカーピンニングとエポキシ樹脂注入工法を用いることは、補修において有効な方法です。アンカーピンの数量に関して特記がない場合、標準的な本数を用いるのが一般的です。この選択肢は不適切ではありません。

4.○ モルタル塗り浮き部分の剥落防止として、またコンクリートの中性化進行や凍結融解による劣化を抑制するために、高粘度形のエポキシ樹脂を使用した全面エポキシ樹脂注入工法を適用することは一般的ではありません。この方法はコストが高く、また中性化進行や凍結融解に対する効果が不確かなため、通常の補修方法としては不適切と考えられます。したがって、この選択肢が最も不適切です。

【解説】
鉄筋コンクリート造の外壁補修には様々な方法がありますが、補修方法を選定する際には、欠損の程度、コスト、期待される耐久性など多くの要因を考慮する必要があります。選択肢4に述べられた方法は、一般的な補修状況で適用されるものではなく、特殊なケースでのみ検討されるべきものです。この問題の難易度はCと設定されており、建築や土木工事に関する専門知識を要します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました