令和5年度問11 鉄筋コンクリートの塩化物量(塩害)の調査や評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

コンクリート

問11 コンクリート

1 .鉄筋腐食に影響を与えるほどの濃度がない場合、塩化物イオンの侵入はコンクリート強度に直接影響を与えるものではない。

2 .コンクリート中に塩化物が含まれている可能性が高い場合、調査対象箇所の選定に雨水等の水分の有無は関係しない。

3 .コンクリート中における塩化物で、鉄筋の発錆に影響する可溶性塩化物イオンの全塩分量に占める割合は、おおむね50%~ 70%程度といわれている。

4 .躯体コンクリート中の塩化物イオン量が、フレッシュコンクリートの基準である0.6kg/㎥未満の場合、塩化物イオン量による鉄筋の発錆の危険性はないと判断できる。

問11 解答

正解 2 (難易度:B)

1.× 鉄筋腐食に影響を与えるほどの濃度がない場合、塩化物イオンの侵入は確かにコンクリートの強度に直接影響を与えるものではありません。塩化物イオンは主に鉄筋の腐食を促進することで構造物に問題を引き起こします。この記述は適切です。

2.○ コンクリート中に塩化物が含まれている可能性が高い場合、調査対象箇所の選定には雨水等の水分の有無が非常に重要です。水分は塩化物イオンの移動を促進するため、雨水等の影響を受けやすい箇所は特に注意深く調査する必要があります。したがって、この選択肢が最も不適切です。

3.× コンクリート中における可溶性塩化物イオンの割合がおおむね50%~70%程度とされていることは、一般的な認識であり、鉄筋の発錆に影響する重要な指標です。この記述は不適切ではありません。

4.× 躯体コンクリート中の塩化物イオン量がフレッシュコンクリートの基準である0.6kg/㎥未満の場合でも、環境条件やコンクリートの品質、保護層の厚さなどによっては発錆の危険性が完全にないとは限りません。しかし、この基準は一般的に安全性を判断する一つの基準とされています。

【解説】
鉄筋コンクリートの塩害に関する調査や評価は、建築物の耐久性を維持するために重要です。塩化物イオンの侵入は鉄筋の腐食を引き起こし、結果として構造の安全性に大きく影響を与える可能性があります。調査対象箇所の選定には、塩化物イオンの移動に影響を与える水分の有無など、環境条件を考慮することが不可欠です。この問題の難易度はBに設定されており、建築や土木分野の専門知識が求められます。

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