令和5年度問8 大規模修繕工事の調査診断、修繕設計及び工事監理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

令和5年度

問8 大規模修繕工事

1 .調査診断とは、建築物の現在の状況を定性的あるいは定量的に測定して把握し、その程度を評価・判断することである。

2 .実施設計とは、基本設計をより細部まで検討し、見積り及び修繕が施工できるよう詳細に設計図書類にまとめることをいう。

3 .工事監理とは、施工計画どおり工事が行われているか確認し、施工会社に対し、指示・承認をすることをいう。

4 .調査診断・設計監理業務の中には、施工会社選定補助、総会・工事契約の立会い、工事説明会の補助、中間・竣工検査立会い等が含まれる場合がある。

問8 解答

正解 3 (難易度:B)

1.○ 正しい。調査診断は、建築物の現状を理解するために重要なプロセスであり、その状態を定性的または定量的に測定して評価・判断することを目的としています。この選択肢は建築物の調査診断に関する適切な説明です。

2.○ 正しい。実施設計は、基本設計の内容をさらに詳細に検討し、具体的な修繕が施工可能な形で設計図書にまとめるプロセスを指します。これにより、正確な見積もりと適切な修繕が実施できるようになります。

3.× 不適切。工事監理は、施工計画に従って工事が適切に行われているかを監視し、必要に応じて指示や承認を行うプロセスですが、ただ単に施工会社に対する指示・承認に限定されるわけではありません。工事の質を確保し、設計通りに工事が進められるよう全般的に監視し、指導する役割も含まれます。したがって、この選択肢は工事監理の説明として不完全で不適切です。

4.○ 正しい。調査診断・設計監理業務は多岐にわたり、施工会社の選定補助、総会や工事契約の立会い、工事説明会の補助、中間・竣工検査の立会いなど、多様なサポート業務を含むことがあります。

解説:大規模修繕工事のプロセスにおいては、調査診断、実施設計、工事監理という3つの主要なフェーズがあります。各フェーズは建築物の長期的な安全性と機能性を保つために不可欠であり、それぞれ特定の目的と機能を持っています。調査診断は建築物の状態を把握し、実施設計はその情報を基に具体的な修繕計画を立案する過程です。一方、工事監理は修繕工事が設計通りに適切に実施されているかを監督する役割を果たします。選択肢3は工事監理の範囲を狭めてしまっており、その役割の全体像を正確に表していないため不適切です。

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