令和5年度問10 鉄筋コンクリートの劣化に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

コンクリート

問10 コンクリート

1 .鉄筋の発錆によると考えられる錆汁が見られ、コンクリートの中性化による劣化が予測されたので、中性化深さの測定を行った。

2 .塩害の原因の一つになる内在塩化物については、198(6 昭和61)年にコンクリート中の塩分量総量規定がされたことで、現在の新築工事では、ほとんど見られなくなった。

3 .アルカリ骨材反応によるひび割れは、収縮性のひび割れであり、筋すじ状のひび割れが見られる。

4 .凍害について、軒先やバルコニー先端など気温変化の影響を受けやすい建物部位を重点に目視調査を行い、ひび割れやスケーリング、ポップアウトなどの有無を確認した。

問10 解答

正解 3 (難易度:C)

  1. × 鉄筋の発錆とコンクリートの中性化は一般に関連があるため、錆汁の観察後に中性化深さの測定を行うのは適切な手順である(建築基準法施行令等に基づく耐久性の考慮)。
  2. × 1986年にコンクリート中の塩分量総量規定が行われたため、現在の新築工事では内在塩化物による塩害は少なくなっている。この記述は正しい(日本建築学会「コンクリート標準示方書」等における規定)。
  3. ○ アルカリ骨材反応によるひび割れは、収縮性のひび割れではなく、アルカリ成分と反応性骨材の化学反応によって生じる膨張性のひび割れであり、通常は筋すじ状ではなく地図状または網目状に発生する。したがって、この記述は不適切である(土木学会「コンクリート標準示方書」)。
  4. × 凍害による影響を受けやすい建物部位の目視調査は、適切な点検方法である。軒先やバルコニー先端などは、気温変化の影響を受けやすいため、凍害によるひび割れやスケーリング、ポップアウトの有無を確認することは正しい(建築物の定期調査指針等)。

選択肢に類似の過去問は特定できませんでした。不正解の選択肢については、それぞれのコンクリートの劣化現象についての理解を誤っている点を指摘しました。

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