【問題11】 鉄筋コンクリートの劣化調査に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

コンクリート

1 .コンクリート中性化深さ調査に用いる試薬には、フェノールフタレイン溶液を使用する。

2 .コンクリート中性化深さ調査で、はつりによる方法を採用した場合、はつり箇所に試薬を噴霧し、表面から赤く呈色した部分までの距離を中性化深さとした。

3 .躯体コンクリート中の塩化物イオン量の評価として、躯体コンクリート中の塩化物イオン量が、1.2kg/㎥以上であったので鉄筋の腐食が示唆される。

4 .ひび割れ調査を一次診断のみで評価を行う場合においては、建物全体の劣化状況を把握するために、部位・位置ごとの劣化症状のパターン分類を尺度にして劣化度を判断する。

問11 解答

正解 2 (難易度 B)

1.○ 正しい。コンクリートの中性化深さ調査にはフェノールフタレイン溶液を使用するのは一般的である。この試薬は、アルカリ性の環境下でピンク色を呈し、中性または酸性の環境では無色となるため、中性化の進行具合を示す指標として用いられる。

2.× 誤り。コンクリートの中性化深さ調査で、はつりを使用して調査する場合、はつり箇所に試薬を噴霧した後、表面から色が変わらない部分、つまりピンク色を呈さない部分までの距離を中性化深さとする。この記述の「赤く呈色した部分までの距離」という部分が誤りである。

3.○ 正しい。躯体コンクリート中の塩化物イオン量が増加すると、鉄筋の腐食が進行する可能性が高まる。一般に、塩化物イオン量が1.2kg/㎥以上の場合、鉄筋の腐食が進行している可能性が指摘される。

4.○ 正しい。ひび割れ調査の際、一次診断のみで劣化状況を評価する場合、部位・位置ごとの劣化症状のパターン分類を尺度にして劣化度を判断する方法は、実際の現場でよく取られるアプローチである。これにより、建物全体の劣化状況の把握が可能となる。

解説: 中性化深さ調査は、コンクリートの中性化の進行具合を示す指標として行われる調査であり、この調査においては、フェノールフタレイン溶液を使用するのが一般的である。この試薬はアルカリ性の環境下でピンク色を呈し、中性または酸性の環境では無色となる。従って、中性化が進行している部分は色が変わらない部分として確認される。選択肢2の「赤く呈色した部分までの距離」という記述は誤りであるため、正解は2となる。

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