令和5年度問40 マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法、民事訴訟法及び区分所有法によれば、最も不適切なものはどれか。

令和5年度本試験

問40 民事訴訟法

1  管理費の滞納者が、管理組合に対し、滞納管理費の額と滞納している事実を認めた場合は、その時から、当該債権について時効の更新の効力が生じる。

2  管理費の滞納者が死亡した場合は、その相続人が、当該マンションに居住しているか否かにかかわらず、それぞれの相続分に応じて、当該滞納管理費債務を承継する。

3  管理費の滞納者に対して訴訟を提起するためには、事前に内容証明郵便による督促を行う必要がある。

4  管理費の滞納者が死亡し、その相続人全員が相続放棄した場合は、いずれの相続人も滞納管理費債務を負わない。

問40 解答

正解 3 (難易度:B)

1.○ 適切。民法によると、債務者が債権の存在と額を認めた場合、時効が中断され、新たな時効期間が始まる。この原則は管理費の滞納に関しても適用される。滞納者が滞納額と事実を認めることによって、管理組合が時効更新の効力を享受できる。

2.○ 適切。民法に基づき、管理費の滞納者が死亡した場合、その相続人は滞納管理費債務を相続する。これは相続人がマンションに居住しているかどうかにかかわらず適用され、相続人はそれぞれの相続分に応じて債務を承継する。

3.× 不適切。民事訴訟法に基づくと、管理費の滞納者に対して訴訟を提起する前に内容証明郵便による督促を行うことは法的に必須ではない。これは一般的な取り決めや慣習によるものであり、法律による明確な義務ではない。ただし、実務上は前もって通知することが望ましいとされる場合もある。

4.○ 適切。民法によれば、相続人が相続放棄をした場合、その相続人は故人の財産や債務を一切承継しない。したがって、管理費の滞納者が死亡し、相続人全員が相続放棄をした場合、どの相続人も滞納管理費債務を負わなくなる。

したがって、最も不適切な記述は「3」である。

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