問４　甲土地を所有するXが、Y銀行から融資を受けるに当たり、甲土地にYのために抵当権を設定した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。ただし、甲土地には、Yの抵当権以外の担保権は設定されていないものとする。

１　抵当権設定当時、甲土地上にX所有の建物があった場合には、当該抵当権の効力は当該建物にも及ぶ。

２　抵当権設定当時、甲土地が更地であった場合、当該抵当権の実行手続により買い受けたZから甲土地の明渡しが求められたときには、Xは、その請求に応じなければならない。

３　抵当権の設定行為において別段の合意がない限り、被担保債権の利息は当該抵当権によって担保されない。

４　Yの抵当権は、Xに対しては、被担保債権が存在していても、時効によって消滅する。

問４　解答

正解: １ (難易度 B)

○ 正しい

民法第三百七十二条に基づき、抵当権の効力は土地だけでなく、土地に所在する建物にも及ぶ。これは土地に存在する建物や植木等も抵当権の効力の範囲内に含まれると規定している。したがって、甲土地上にX所有の建物があった場合には、当該抵当権の効力は当該建物にも及ぶ。
× 解説

抵当権者が抵当権の実行手続きを行った場合、買い受けた第三者Zは甲土地の明渡しを求めることができる。しかし、この選択肢は抵当権の実行手続きについて明確な法律の根拠を示さない。
× 解説

民法第三百七十七条に基づき、抵当権の設定行為において別段の合意がない限り、被担保債権の利息は当該抵当権によって担保される。したがって、この選択肢は誤りである。
× 解説

民法において、抵当権は被担保債権が存在していても時効によって消滅することは明示されていない。抵当権の消滅に関する規定は明確でないため、この選択肢は誤りである。