ア 区分所有者が設置した自動車駐車場の利用料金は、全ての区分所有者が等しく負担しなければならないという決議を行った場合、特定の区分所有者のみに過度な利用料金の請求が行われることはない。
イ 管理組合がエレベーターの全面リニューアル工事を行うことを決議した場合、その費用の負担は全ての区分所有者が等しく分担するものとし、特定の区分所有者に過度な負担を強いることはできない。
ウ 建物の管理者は、雨漏りなどの緊急の補修が必要な場合、ただちに補修を行う義務があり、この義務の違反により生じた損害について、居住者やその他の関係者からの損害賠償請求を受ける可能性がある。
エ 共用部分である庭園の手入れや清掃に関する業務を特定の区分所有者に任せる旨の決議を行った場合、その区分所有者は、他の区分所有者から一定の報酬を受け取ることができる。
１ 一つ
２ 二つ
３ 三つ
４ 四つ
問３８ 解答
正解 ３ （難易度：C）
【問 38】の選択肢に基づく解説：
ア × 一般的に、区分所有者が設置した自動車駐車場の利用料金に関しての決議が、全ての区分所有者が等しく負担するという内容であった場合、その通りに適用されるべきである。しかし、判例による明確な定めはないため、この記述を適切と断定することはできない。
イ ○ 管理組合の決議に基づく費用の負担は、原則として公平でなければならない。特定の区分所有者に過度な負担を強いることは、区分所有法や管理規約に反する可能性があり、判例においてもこのような立場が取られている。
ウ ○ 管理者は、共用部分に関する維持・管理の義務がある。雨漏りなどの緊急の補修が必要な場合、ただちに補修を行う義務があり、この義務を怠った場合、損害賠償請求の対象となる可能性がある。
エ × 共用部分の管理や維持に関する業務を特定の区分所有者に任せる旨の決議が行われた場合、報酬を受け取るかどうかはその決議や合意に依存する。判例だけに基づくと、これを一般的に適切とは言えない。
以上の考察から、適切なものは「イ」と「ウ」の2つです。したがって、正答は「２」です。
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