1 管理組合が、修繕費の未払い者に対し、未払い修繕費の支払を内容証明郵便で請求した後、その時から8 箇月を経過するまでの間に、再度、未払い修繕費の支払を内容証明郵便で請求すれば、あらためて時効の完成猶予の効力が生じる。
2 修繕費を未払いしている区分所有者が死亡した場合、遺産分割によって当該マンションを相続した相続人が未払い債務を承継し、他の相続人は未払い債務を承継しない。
3 修繕費の未払い者が、未払い額30万円の一部であることを明示し、管理組合に対し10万円を支払った場合には、残りの20万円については、時効の更新の効力を有する。
4 修繕費の未払い者が行方不明になった場合には、管理組合は、当該未払い者に対し、未払い修繕費の支払についての訴えを提起することができない。
問9 解答
正解 3 (難易度B)
1.× 解説:時効の完成猶予の効力が生じるのは、債権者が内容証明郵便で請求を行った場合、その時から1年を経過するまでの間であり、8ヶ月では時効の完成猶予の効力が生じることはない。参考:民法142条。
2.× 解説:遺産分割においては、相続人全員が共同して相続債務を承継する。特定の相続人のみが未払い債務を承継することはない。参考:民法900条。
3.○ 正しい:未払いの一部を支払った場合、残額についての時効は更新される。これは時効の中断と呼ばれ、中断の原因となる行為があったときに新しい時効期間が開始される。参考:民法146条。
4.× 解説:行方不明になった債務者に対しても、訴えを提起することが可能である。ただし、行方不明者に対する訴訟手続きには特別の配慮が必要となる。参考:民事訴訟法72条。
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