この配信内容の要約は以下の通りです。 マクマスター大学の研究チームが行った調査によると、近年、競技アスリートの間で注目されているケトンサプリメントが、実際の運動パフォーマンスを低下させる可能性があることが明らかになった。これまでケトンサプリメントに関する研究結果は一貫しないものであり、その実際の効果についての解明が待たれていた。 ケトン体は、私たちの体が自然に生成するものであり、特に脳や筋肉などの主要な部分でエネルギーとして利用される。ケトジェニックダイエット、つまり炭水化物の摂取を大幅に制限する食事法によって、体内のケトン体の生産は増加する。そのケトン体を外部から摂取することで、食事制限なしにその生成を増加させることができるとされるサプリメントがこのケトンサプリメントである。 一部の研究者やアスリートたちは、ケトン体が運動時の新しいエネルギー源となり、結果としてスタミナの向上をもたらす可能性があると考えている。しかし、この新しい研究はその考えを疑問視するものである。マーティン・ギバラ氏、マクマスター大学の運動学部教授は、ケトン体が運動時の代替燃料として利益をもたらすとの一般的な考え方とは逆のデータを得たと述べている。 この調査では、持久力のあるサイクリストたちを対象に、20分間のタイムトライアルを行う前にケトンサプリメントまたはプラセボ(偽薬)を摂取させる実験を行った。この実験は、摂取するサプリメントがどちらであるかを研究者も参加者も知らない「二重盲検」の方法で行われた。デビン・マッカーシー氏によると、ケトンサプリメントを摂取したサイクリストの平均速度は、プラセボを摂取した場合に比べて低下したという。 この結果は、以前の研究で示された、ケトンサプリメントが運動中の心肺負荷を増加させる可能性があるとの指摘と一致している。現在、この研究チームはケトン体がスポーツパフォーマンスにどのような影響を及ぼすのか、そしてその背後にあるメカニズムは何なのかを明らかにするための追加研究を進めている段階である。 以上、ケトンサプリメントの効果に関する新しい研究の概要とその意義について解説しました。
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