問17 行政法
行政不服審査法に基づく不服申立てに関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 行政不服審査法に基づく不服申立ては、行政機関が行う処分に対する再審査を求める手続であるが、裁判所による審査とは性質が異なる。
2 不服申立ては、原則として処分が行われた日から3か月以内に行わなければならないが、特別の理由がある場合にはこの期間が延長されることがある。
3 行政機関が行った処分に対して、当事者が不服申立てを行った場合、当該行政機関はその処分を停止することが義務づけられている。
4 不服申立てが認められた場合、行政機関は当該処分を取り消すか、あるいは当該処分を維持しつつ不服申立てを行った者に対する救済措置を講じなければならない。
5 不服申立ての審査において、行政機関は事実関係のみを審査し、法令の適用についての判断は行わない。
問17 解答
正解 2 (難易度:B)
1.○ 正しい。行政不服審査法に基づく不服申立ては、行政機関が行う処分に対する再審査を求める手続であり、裁判所による審査とは異なる性質を持っています。これは、行政処分に対する内部的な救済手段の一つです。
2.○ 正しい。不服申立ては原則として処分が行われた日から3か月以内に行う必要がありますが、特別の理由が認められる場合、この期間が延長される可能性があります。これは、申立てを行う権利の保護と手続の適正を確保するための規定です。
3.× 解説:行政不服審査法では、当事者が不服申立てを行った場合、当該行政機関がその処分を自動的に停止する義務はありません。停止命令は特定の条件下で行われる場合がありますが、これは自動的なものではなく、必要に応じて発動されるものです。
4.× 解説:不服申立てが認められた場合、行政機関は当該処分を取り消すか、他の適切な救済措置を講じる必要があります。ただし、当該処分を維持しつつ救済措置を講じるかどうかは、具体的な事案によって異なります。行政機関は、申立て内容や法令に基づいて適切な判断を行う必要があります。
5.× 解説:不服申立ての審査では、行政機関は事実関係だけでなく、法令の適用についても審査します。審査は全面的であり、処分が法令に適合しているかどうかを確認することが求められます。この選択肢は、審査の範囲に関して誤った情報を提供しています。
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