1-19 行政事件訴訟法における取消訴訟の審理に関する次のア~エの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

オリジナル1

問19 行政法 

行政事件訴訟法における取消訴訟の審理に関する次のア~エの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

ア.取消訴訟において、原告は行政処分の取消しのみを求めることができ、損害賠償の請求を併せて行うことはできない。

イ.取消訴訟の対象となる行政処分は、具体的個別の行為に限られ、一般的抽象的な規範は対象外であるが、これに基づく具体的個別の行政処分がある場合は、その処分に対する取消訴訟を提起できる。

ウ.取消訴訟を提起することができるのは、当該行政処分によって直接的に権利または法律上の利益を侵害された者のみであり、間接的に影響を受ける者は訴訟を提起できない。

エ.取消訴訟の審理において、裁判所は行政処分の適法性だけでなく、その処分が行われた後の事情の変化も考慮に入れることができる。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 イ・ウ
4 イ・エ
5 ウ・エ

問19 解答

正解 4 (難易度:C)

ア.× 取消訴訟において原告は行政処分の取消しを求めることが主な目的ですが、同時に損害賠償の請求をすることも可能です。ただし、そのためには損害賠償請求の要件を満たす必要があります。

イ.○ 正しい。取消訴訟の対象となるのは具体的個別の行政処分です。一般的抽象的な規範は直接の取消訴訟の対象外ですが、これに基づく具体的個別の行政処分に対しては取消訴訟を提起できます。

ウ.○ 正しい。取消訴訟を提起することができるのは、当該行政処分によって直接的に権利または法律上の利益を侵害された者です。間接的に影響を受ける者は、一般的には訴訟提起の資格がありません。

エ.× 取消訴訟の審理において裁判所は行政処分の適法性を審査しますが、原則として処分が行われた時点での事情を基準に判断され、その後の事情の変化は考慮されません。

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