1-8行政行為の効力に関する次のア~エの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

オリジナル1

問8 行政法

行政行為の効力に関する次のア~エの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア.行政行為が違法である場合でも、その効力は即座に消滅するわけではなく、取消しの判決が確定するまで存続する。

イ.行政庁が違法な補助金交付決定をした場合、補助金受給者が善意であれば、補助金の返還請求は認められない。

ウ.行政行為が違法とされた場合でも、その行為に基づき取得した権利が第三者に移転していれば、第三者に対する効力は存続する。

エ.法律に明文の根拠がない行政指導は、その違法性が確定した場合でも、当該行為に従った者に対して効力を有する。

オ.行政行為が違法であっても、それに依拠して行われた具体的な行動により、当事者間の既成事実が生じている場合、その効果は容易に否定されない。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 イ・エ
4 ウ・オ
5 エ・オ

問8 解答

正解 2 (難易度:E)

1.× 解説
アは正しいが、イは誤りです。補助金交付決定が違法であった場合、受給者が善意であっても、補助金の返還請求が認められることがあります。善意無過失であるかは返還請求の可否を判断する際の一要素に過ぎません。

2.○ 正しい
アとウは妥当です。行政行為が違法であっても、取消しの判決が確定するまでその効力は存続する(ア)。また、行政行為が違法とされた場合でも、その行為に基づき取得した権利が第三者に移転していれば、第三者に対する効力は存続する(ウ)。

3.× 解説
イは誤りであり、エも誤りです。法律に明文の根拠がない行政指導が違法である場合、それに従った者に対して効力を持つとは限りません。行政指導の効力は、その具体的内容や従った者の状況により異なります。

4.× 解説
ウは正しいですが、オについては、行政行為が違法であっても既成事実が生じている場合、その効果が容易に否定されないという一般的な原則は存在しません。ケースバイケースで判断されるべき事項です。

5.× 解説
エは誤りであり、オも上述の通り、一般的な原則として妥当ではありません。行政指導の効力や違法行政行為に基づく既成事実の取扱いは、それぞれの具体的事情に応じて判断されます。

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