1-3表現の自由に対する制約を正当化する要件に関する最高裁判所の判決に関する次のア~エの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

オリジナル1

問3 憲法

表現の自由に対する制約を正当化する要件に関する最高裁判所の判決に関する次のア~エの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

ア.公共の場での演説活動の禁止が、公共の安全と秩序維持を目的として行われる場合、それは演説活動そのものの制約ではなく、公共の場所での演説活動に伴う弊害の防止をねらいとして行われる。したがって、これは他の場所での演説活動への自由を制約するものではなく、単に場所の制限に伴う間接的、付随的な制約にすぎない。

イ.インターネット上の表現の自由が、特定のコンテンツが公序良俗に反するとの理由でアクセス制限される場合、その表現の自由への制約は、公序良俗の保護に伴う間接的、付随的な制約にすぎない。

ウ.新聞社が政治的見解を伝えることの禁止が、公共の利益と秩序維持を目的として行われる場合、そこでの表現の自由の制約は、単に政治的見解の伝達方法の禁止に伴う限度での間接的、付随的な制約にすぎない。

エ.個人のプライバシー保護を理由に特定の情報の公開が制限される場合、その情報の公開への制約は、プライバシー保護のための必要な措置に伴う間接的、付随的な制約にすぎない。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 ア・エ
4 イ・ウ
5 イ・エ

問3 解答

正解 3 (難易度:A)

1.× 解説
アは正しいと考えられるが、イについては公序良俗の保護が一律にインターネット上の表現の自由を制約する正当な理由とは限らず、ケースバイケースで判断されるべきである。したがって、この組合せは妥当ではない。

2.× 解説
アは正しいが、ウに関しては新聞社の政治的見解の伝達は表現の自由の根幹をなすものであり、これを禁止することは単なる間接的、付随的な制約とは言えず、直接的な制約となる可能性が高い。

3.○ 正しい
アとエはともに妥当である。公共の場での演説活動の禁止(ア)と個人のプライバシー保護(エ)は、それぞれ公共の安全や個人の権利保護という正当な目的に基づいており、間接的、付随的な制約として正当化されうる。

4.× 解説
イは先述の通りケースにより異なり、ウは政治的見解の伝達を直接的に制約する可能性があるため、この組合せは妥当ではない。

5.× 解説
イには先述の問題点があり、エはプライバシー保護のための情報公開の制限が間接的、付随的な制約として正当化されうる場合があるが、これが一律に適用されるわけではないため、この組合せは妥当ではない。

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