問50 一般知識等
ア.法人税は法人の所得に対して課税する所得課税であり、企業の所得水準に応じて税率が決まる累進税率が採用されている。
イ.子育てを社会全体で支える観点から、法人税の税率が引き上げられ、その財源を次世代育成支援に充当することとなった。
ウ.地方自治体が課税する法人事業税には、法人の所得や収入に応じる課税だけではなく、法人の資本や付加価値に応じて課税される外形標準課税も導入されている。
エ.OECD(経済協力開発機構)では、多国籍企業がその課税所得を人為的に操作し、課税逃れを行っている問題(BEPS:税源浸食と利益移転)に対処するため、BEPSプロジェクトを立ち上げて、日本もこれに参加している。
オ.地方自治体による法人事業税や法人住民税は、地域間での偏在性が大きいが、その一部を国税化する改革が実施されたことはない。
1 ア・ウ
2 ア・オ
3 イ・エ
4 イ・オ
5 ウ・エ
問50 解答
正解 5 (難易度 B)
1.× アの記述は誤りです。日本の法人税率は基本的に一律であり、所得水準に応じた累進税率は採用されていません。
2.× オの記述は誤りです。地方税の国税化の議論は存在し、実際に過去に一部の税収が国税化された事例もあります。
3.× イの記述は誤りです。法人税の税率が引き上げられた主要な理由として「次世代育成支援」が挙げられることは一般的ではありません。
4.× イ・オは上記の理由により誤りです。
5.○ ウとエの記述は妥当です。
<論点解説>
ウの記述について、地方自治体が課税する法人事業税は所得課税と外形標準課税の両方があります。外形標準課税は、法人の経済活動の規模を反映した課税方式であり、法人の資本や付加価値などに基づいて課税されます。
エの記述について、OECDではBEPSプロジェクトを通じて、多国籍企業の税源浸食と利益移転を防ぐための対策を策定しています。日本もこのプロジェクトに参加し、国際的な税制改革に協力しています。
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