令和5年度問46 Aは、Aが所有する土地上に住宅を建築する旨の建築請負契約(以下「本件契約」という。)を工務店Bとの間で締結した。

令和5年度本試験

問46 記述式

本件契約においては、Bの供する材料を用い、また、同住宅の設計もBに委ねることとされた。本件契約から6ヵ月経過後に、Aは、請負代金全額の支払いと引き換えに、完成した住宅の引渡しを受けた。しかし、その引渡し直後に、当該住宅の雨漏りが3ヵ所生じていることが判明し、Aは、そのことを直ちにBに通知した。この場合において、民法の規定に照らし、Aが、Bに対し、権利行使ができる根拠を示した上で、AのBに対する修補請求以外の3つの権利行使の方法について、40字程度で記述しなさい。

問46 解答

正解
契約不適合責任を根拠に、請負代金減額請求、損害賠償請求及び解除の権利を行使できる。(41字)
(難易度:C)

<論点解説>
本件では、完成した住宅に雨漏りが生じており、これは契約の不適合瑕疵に該当します。日本の民法第570条により、工事の完成と引き渡し後に瑕疵が発覚した場合、請負人は瑕疵担保責任を負います。この場合、Aは、Bに対して次の権利行使が可能です。

  1. 請負代金減額請求(民法第570条):瑕疵の存在により住宅の価値が減じた場合、Aは支払請負代金の減額を請求できます。
  2. 損害賠償請求(民法第415条、570条の準用):雨漏りによる損害が発生した場合、AはBに対し損害賠償を請求できます。
  3. 契約解除(民法第541条、570条の準用):瑕疵が重大で修補が不可能または困難な場合、Aは契約の解除を選択できます。

不正解の選択肢として考えられるのは、例えば「Aは直ちに修補を要求できる」などの表現ですが、問題文は修補請求以外の権利行使方法を求めています。したがって、このような表現は間違いとなります。

また、過去問との類似性については、本問は特定の年度の問題に酷似していないため、該当する過去問はありません。

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