令和5年度問23 地方自治法(以下「法」という。)が定める直接請求に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、以下「選挙権」とは、「普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権」をいう。

令和5年度本試験

問23 行政法

1 事務監査請求は、当該普通地方公共団体の住民であれば、日本国民であるか否か、また選挙権を有するか否かにかかわらず、これを請求することができる。

2 普通地方公共団体の事務のうち法定受託事務に関する条例については、条例の制定改廃の直接請求の対象とすることはできない。

3 市町村の条例の制定改廃の直接請求における署名簿の署名に関し異議があるとき、関係人は、法定の期間内に総務大臣にこれを申し出ることができる。

4 議会の解散請求は、日本国民たる普通地方公共団体の住民であって選挙権を有する者の総数のうち、法所定の数以上の連署をもって成立するが、この総数が一定数以上の普通地方公共団体については、成立要件を緩和する特例が設けられている。

5 議会の解散請求が成立した後に行われる解散の住民投票において、過半数の同意があった場合、議会は解散するが、選挙権を有する者の総数が一定以上の普通地方公共団体については、過半数の同意という成立要件を緩和する特例が設けられている。

問23 解答

正解 4 (難易度:C)

1.× 事務監査請求は、地方自治法第242条により、選挙権を有する住民が請求できると定められています。従って、選挙権を有する日本国民でなければ請求できません。

2.× 地方自治法第75条の2によれば、法定受託事務に関する条例も、直接請求の対象とすることができます。従って、法定受託事務に関する条例が直接請求の対象外であるというのは誤りです。

3.× 市町村の条例の制定改廃の直接請求における署名簿の署名に関する異議は、総務大臣ではなく、その市町村の長または選挙管理委員会に申し出ることになっています(地方自治法第124条の4)。従って、総務大臣に申し出るという記述は誤りです。

4.○ 地方自治法第138条により、議会の解散請求は、選挙権を有する住民の総数の一定割合以上の連署で成立します。また、住民数が多い自治体においては、連署に必要な割合を緩和する特例が設けられています。したがって、この選択肢は正しい記述です。

5.× 地方自治法第138条の6によれば、解散の住民投票で過半数の同意があった場合に限り、議会は解散します。ただし、選挙権を有する者の総数が多い自治体における投票成立要件の緩和についての特例は、この法律には設けられていません。

したがって、正しい記述は4番です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました